フライトプラン(映画)
ロベルト・シュベンケ監督
ネタバレ無しではどうにも感想が書けない映画なので、以下ややネタバレありです。
御注意ください。
(今回ネタバレ防止の文字反転だらけですよ(^^;)
★
飛行機の中で、一緒に乗り込んだはずの6歳の娘が行方不明になる。
しかし、乗務員も周りの乗客も誰も娘がいた事を覚えていないと言う。
母親(ジョディ・フォスター)は必死で娘を捜し始めるのだった…
★
…と、あらすじを聞くと“あの”トンデモ映画「フォーガットン」の飛行機版か?、と思えるようなストーリーですが、
見てみると意外にも「普通」に種明かしのある話でした。ちょっとがっかり(おぃ)
まあ「普通」と言っても、物っ凄く無理のありすぎる種明かしなんですけどね(苦笑)
あんな超々ハイリスクで、運と偶然に頼った、実現性の薄い、無意味に回りくどい計画ありえません(^^;
子供のことを誰も覚えていない&隠す場面を誰にも見られないという偶然を当てにしたり、あの母親が(爆弾入りの)暗証番号キー付き棺桶を開けてくれるという可能性の低さを当てにした犯行計画って何ですか?
事前に人を殺しておくリスクの高さといい有り得なすぎる(笑)
ある程度の時点まで犯人達にとって計画が上手くいっていたのは奇跡とさえ言えます。(たとえフライトアテンダントが共犯だとしても)
どう見ても“あの”計画のには『映画の特殊な状況を成立させるための後付のこじつけ』以上の意味があるようには見えませんでした。やれやれ(^^;;
しかしまあ、「あの犯人の職業」なら、確かにあの状況を作ることも(運が良ければ)出来るかも知れないけど、
「あの職業の人」をそのまんま犯人にしてしまうのは、あまりに「そのまんま」すぎで萎えます。
正直後半の展開は出来の悪いコントのように思えました。
つっこみ所のある馬鹿映画は嫌いじゃないですが、この映画の場合は単に「駄目なところが目立つ映画」ではないかと思いました。
母親役のジョディ・フォスターの演技は、不条理に娘を喪失した母を鬼気迫る迫力で見せてくれて、なかなかの見物でした。
ただ、娘を捜すために、この母親があまりにやりたい放題の無茶苦茶をやりすぎで、
観客としては彼女を応援する気持ちにはなれませんでした。
娘が行方不明だからって、何やっても誰に迷惑をかけてもいい訳じゃありませんし、
やらかした事にはある程度の責任が発生するんじゃないでしょうか。
最後にあの人に「謝まって」くれていればそこまで不快には思わなかったのでしょうけどね。
「他人を無根拠に誹謗中傷して傷つけても謝らない親の姿」を娘に見せて平気な顔をしている親ってのは、個人的には最悪かと。
飛行機の乗務員の態度も酷いもので、航空会社からこの映画にクレームがついたらしいという話も納得しました(笑)
そんなわけでこの映画、つっこみ所満載の映画ですが、私的にはB級映画的満足感よりも、どうにもスッキリしない嫌な気分の方が強く残る映画でした。
いっそもっと突き抜けてくれていれば多少の不快感も薄れたかも知れませんが、中途半端な「普通さ」が足を引っ張るのです。
エンターテインメント作品としては、“あの”トンデモ馬鹿馬鹿映画「フォーガットン」の方がある意味では楽しめたかも知れません。
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