プライドと偏見(映画:ジョー・ライト監督)
原作はジェーン・オースティン氏の「自負 と偏見」ですが、
自分は原作も1940年の映画もBBC放送のTVシリーズも影響を与えたという「ブリジット・ジョーンズの日記」も全て未見で、完全に白紙の状態で観ました。
18世紀末のイギリスを舞台に、
不器用な中年艦長が権限を利用してある女性兵士を自分の艦に配属させた所から始まる、
プライドをかなぐり捨てた中年男性の体当たりの恋物語です。
彼女につれなくされながらも健気にアピールする姿は一歩間違えばストーカーかセクハラですが、一途な姿勢は見ている内に自然に応援してしまっていました。
彼女を敵の攻撃から守る為に鑑ごと盾になる姿は涙無しでは見られません。
嘘ですそれは「プライドとヘンケン(ベッケナー)」です。
Zガンダム完結編楽しみですね(おぃ)
■実際は、18世紀末のイギリスの田舎に暮らす5人姉妹達による恋物語です。
女性に「財産相続権」が無かった時代、家の財産を引き継げない女性達の暮らしは結婚した相手によって決まり、愛のない結婚も普通にあった時代に、自分の思いを大事にしようとした姉妹の次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)を中心としたロマコメです。
5人姉妹の話と言っても、主軸はあくまで次女エリザベスで、群像劇と言うわけではありません。
他の姉妹も意味ありげに描写されたりしますがあまり踏み込まれてはおらず、このあたりの扱いはちょっと中途半端に感じました。長い(らしい)原作を2時間の映画にまとめた為のこうなってしまったようですが。
この点は映画としては欠点にも思えますが、このおかげもあってか原作への興味を引かれたので結果オーライかも知れません(笑)
お話は、第一印象はお互い最悪で最初は嫌いあっていた男女が、次第に相手への誤解を解いて惹かれていくと言う、
最初の10分で大体の流れが分かるベタベタのロマコメです。正に恋愛物の原典的な話な訳ですね。最初はやや取っつきにくくも感じましたが、個々のキャラクターが見えてくるあたりから面白く見られました。キーラ・ナイトレイって人はただ黙っていても存在感のある人です。
この時代のイギリスの風景や建築も美しく魅力的でした。
タイトル通りの『プライドと偏見』がフィルターになって、相手の本当の姿をなかなか理解し得ない様は、古い作品のはずですが、いつの時代にも通じる普遍的なものを感じました。
偏見を持たずに付き合ってみないと人の姿ってのは見えてこないですよね。
実際の人付き合いであれば、多少第一印象が悪くても次第に相手を理解していけたりもするのでしょうが、ネットを通しての接触では誤解や偏見を一度持ってしまうとなかなか解けなくて危ないよなあなどとも感じてしまったりして。映画からはちょっと飛躍してますけど。
主人公のエリザベスだけでなく相手役のダーシーも誤解をして間違いを犯していたあたり、互いに歩み寄っていかねば良い関係は築けないと言うことかと、テーマを象徴的に感じました。
ところで親父さんのキャラがいいですね。
最初は奥さんに振り回されるだけの意志の弱い駄目親父にも思えたのですが、娘の意志を尊重する姿や最後のシーンが実にいい。
作品に落ち着きを与える名脇役でありました。
親父さんの存在もあって、気持ちいい気分で映画館を出られるいい映画でした。
まあ、あの後は大変かもと思いますけど(笑)
プライドと偏見の権化「キャサリン夫人」の押しの強さに某○木○子氏を思い出しました(笑)
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