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2006年3月 7日 (火)

機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛(映画:富野由悠季監督)

感想を一言で言えば「やっぱ富野だなあ」に尽きると言いますか、
ブレン、ターンエー、キンゲを経た今の富野氏らしい作品だなあと思いました。
昔のTV版は正直面白いとは思わなかったですが、今作はごく普通に面白かったです。
初見の人に楽しめるかどうかは微妙な気がしますし、やっぱりTV版を見ていた人御用達の映画だとは思いますけどね。
結局自分なんかはトミノフィルターがかかってると思いますけど、それはそれでいーや(笑)
以下の感想は、いつにも増して単なるガンオタの戯言たれながしモードになってますので生温かく見守ってやってください(^^;

あの、アニメ誌を見ていなければ何をやってるのか全然分からなかった“あのZ”が、実に分かり易くなったこと。
特に今作は映画版1、2作目以上に余分な部分をバッサリ切って、極めてシンプルな三つ巴(四つ巴)話になっていました。
と言うか、はっきり言ってずーーーっと戦ってるばっかりです(^^;

★以下ネタバレモード全開です。要注意★

キリマンジェロダカールお兄ちゃん毒ガスも、バッサリと切りまくったおかげで、ひたすら三大(四大)組織の勢力争いと戦闘だけで話が進みます。
・専ら各陣営の交渉・権謀による戦況変化だけで一本の映画にしてしまう試みはある意味面白かったです。(勿論それに絡む個人の思惑の描写も大事なところなんですが)
・交渉・権謀と言うか、「個人レベルの喧嘩」という気もしますけど(^^;
・TV版と違って気持ちよく見終わることが出来ましたが、各人の行動や起こっている事象自体は昔とあまり変わって無くて、セリフや見せ方が変わっているだけなのですが、それだけでも随分と受ける印象が変わる物で、何と言いますか「人の印象というのは都合良く騙されてくれるものだなあ」と思いました(笑)
・これも「人間気持ちの持ち方次第」と言う事か?(どーだろ)
・「誰も知らないラスト」は、正直安易な変更という気もしますし、ちょっと笑ってしまったんですけど。気持ちよく騙してくれるならそれも良しかと。
・不満を多く感じた2は、3のラストの為の下地作りだったのだなあとよく分かりました。
・これって2と3でワンセットで見るべき映画ですね。
・1、2、3と短いスパンで勢いに任せて一気に見るべき映画かと。1年以内で3作をまとめたのは正解だと思いました。
・2の時は「なんでこんなにサラがクローズアップされてるのだ?」と疑問に思いましたが、3を見ると確かに、サラを2で描写しとかないとダメだわと納得。
TV版ではサラは好きではなかった事もあって私的には印象が薄かったのですが、ストーリーを進めるには必要なキャラだったのね。
・むしろ2のフォウの方が全体を通すとイレギュラーな要素にも思えたり。というのは言い過ぎか(^^;

・ダカールやキリマンジェロを切ったのは正解と思えました。3であの辺を入れていたら、かなり煩雑になっていたでしょう。
・おかげでシャアが単にぼーっと戦ってるだけの男になってしまって、彼のしょーもなさがよく分かって可哀想(笑)
・本当に自分のことしか見えてないよ、シャアって男は(^^;
・ブレックスに「君が指揮をとれ」と言われたのに、何もやってないしなあ。
・シャア自身については、TV版より「逆シャア」への繋がる事が納得出来る気がしました。(まあ、あのラスト後のハマーンやカミーユの事を考えると、逆シャアに繋げる為には新たな疑問点も出てきちゃうんですが)
・あの後、結局シャアはハマーンに拾われちゃうと言うことなのか?
・はたまたシャアとハマーンの権力争いが始まってしまうのか?
・「ガンダムエース(雑誌)」あたりで補完されそうな気も(笑)

・ところで、どいつもこいつも個人の感情丸出しで戦ってるなあ(^^;)。その最たる者はカツやレコアのはずなのですが、責任ある立場のはずのシャアやシロッコの自分勝手ぷりがカツ等を上回って見えるので、結果的に“カツへの評価”が昔ほどには低くなかった気がします(笑)
・カツも可哀想な奴という気分になりました。やってることは昔通り無茶苦茶なんですけど。
・1、2同様にキャラクターに“余裕”があって人間らしく感じて、ちゃんと感情移入出来るようになっているのがいいですね。
・しかしまあ、アレですね。この戦いの教訓は「戦場で遊んではいけない」「戦場でよそ見をしてはいけない」という事でしょうか。
・自分が歳を取ったこともあってか、シロッコのダメ野郎っぷりが光ります。あんな男に騙されるなよ(笑)
・カミーユが無人のジオを壊さなかったからと言って無人の百式を壊さないシロッコ。意外に仁義を守る奴と言うべきか、甘っちょろいと言うべきか。
・ジェリドは…、ただひたすら印象薄い奴でした。哀れ。

・ロザミア、なんでフォウやサラ達と一緒に幽霊やってるんですか?(爆笑)
・「お兄ちゃん」が無いので、2でカミーユに撃墜された時に愛が芽生えたのか?としか(笑)
・殴られて愛が芽生えるようなものですか?練馬大根か(笑)
・ラストのファとの絡みがひたすらエロい。アングルがエロい。カミーユの手付きがエロい。宇宙服越しなのがまたエロい。いやあ若いっていいよね。肉体があるっていいよね(笑)
・現実感のある肉体賛歌、或いは精神と身体の両方が大事という結論か?
・「F91」を思い出したと言うか「さよならジュピター」を思い出したと言うか。無重力〜(笑)
・ハンブラビにやられるメタスもエロい。
・やっぱり富野氏はエロい(笑)
・ところで、どこにヘルメット隠してたんだよ(笑)、やっぱり座席の下か?
・サエグサさん、一瞬オカマになったのかと思ったわい。でもそこがいい(笑)

・レツにもキッカにもフラウにもアムロにも「死んだ」ことを気付いてもらえてないカツ哀れ。フラウ以外は一応ニュータイプなんじゃないですか?
・ケーキに手を出すヘンケン艦長素敵。エマとのやり取りは温かい目で見守っちゃいますな。
・一人セリフがたどたどしいミネバは、ある意味「無理をさせられてる8歳の子供」らしかったかと。
・エンディング曲。何を歌ってるのかさっぱり聞き取れませんでした。
・ブライトさんが作中で数少ない分別ある大人に見えました。御苦労様でした。

・MSはやたら多く登場するけど、機体の個性を生かした戦い方をしてる奴ってほとんどいないのね(昔と変わらず)、期待特性を見せてくれたのはハマーンのキュベレイとヤザンのハンブラビくらいか。
・大気圏突入が無いので、実はZが変形する意味があまり無かったり。
・一応ウェーブライダーだとバーニアを集約するのでスピードは上がるはずだけど、その割にハンブラビにもバウンドドックにも追いつかれてるわ、急ぐべき場面でMS形態のままだわ。
・Zのハイパーメガランチャー意味ねー(笑)、カツを脅す事にしか役に立ってないよ。
・戦闘シーンは多い(つーか大半)けど、特に中盤までは殆どが「決着が付かない戦闘」なのでカタルシスには欠けた気も。「Zガンダムが活躍している」感が今一(1・2のマーク2と比べても)低いのは昔のままだったり。不遇な機体だ。
・(たしか)グワジンでのシーンで、百式の後ろに一瞬見えたガザ系っぽいグレーの機体は何か?ガザBとかなのか?(一瞬でよく分からなかった)
・お腹に頭のある「Zのひらき」状態の絵はなかなか嬉しかったです。
・地上編を切ったのはいいのですが、新規作画で動くディジェが見れなかったのは少し残念。
・なんのかんの言っても楽しめました。満足です。
・昔のTV版を楽しめてなかった反動で映画の評価が上がってるって気もしますけど(笑)
・やっぱりTV版あっての映画版ではあると思います。

公式サイト

映画版1「星を継ぐ者」感想
映画版2「恋人たち」感想

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「…わかってよ。男たちは戦いばかりで、  女を道具に使うことしか知らないのよ…」 上記台詞はテレビ版でも同じみのレコアの最期、 エマ中尉に向けられた悲痛な台詞でもあり、 Zガンダムの訴えることの一つがそこにはある。 一字一句間違ってないかの自信はないが…(苦笑) 結局公開当日に観てきた。 いずれも評価は難しい。 新訳と言えどやはりテレビの総集編でしかない…。 ただ、大好きなハマーン・カーンが多く登場する事。 そしてキュベレイ始め、やはり新画のMSは見応えあった。 ... [続きを読む]

受信: 2006年3月 8日 (水) 09時14分

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