エミリー・ローズ(映画・スコット・デリクソン監督)
悪魔憑き少女のホラー物 …ではなくて、
少女・エミリーが悪魔祓い中に死んでしまった為に過失致死で訴えられた神父の「裁判」を描いた映画です。
一応実話ベースということですが、どこまでが実話かはよく分かりません。
(ネットで見ているとどうも判決結果などは現実と違ってそうですが)
実際の所はよく分からないので、映画としてだけの感想で書きます。
“超現実的な事象”を裁判という“現実的な舞台”で扱うところが見所で、なかなか目を離せない面白い映画でした。
エミリーは果たして本当に悪魔に憑かれていたのか、それとも病気であったのか、映画ではどちらとも取れる描き方をされていて巧妙だったかと思います。
と言いつつ、悪魔憑きの演出事態はかなり既存の「ホラー映画テイスト」満載で、「音」をやたらと多用したりと、ちょっとこけおどし感が強い気はしますけどね。(あれが本当に「悪魔」の仕業とすると、演出に凝り性な悪魔だなあと思いました(^^;)
しかし、それほど「怖い」ものではないので、ホラー映画的な怖さを期待して行くと肩すかしを食うと思われます。(あくまで悪魔祓いを扱う「法廷物」であるのがミソですね)
とは言え、エミリー役のジェニファー・カーペンターの演技は相当の迫力がありました。見事。
宗教的な問題の扱い方が、宗教に密着した国としてのアメリカらしさを感じて興味深かったです。
これ、日本が舞台だったら同じ展開にはならないでしょうねえ。
映画での“判決”は妥当にも感じましたが、(一方であんなアバウトな判決でいいのか?、とも思ったけど)
しかし妥当だと感じたのはあくまで映画全般を俯瞰して見た視点での自分の「感情」の部分であって「理性」ではないとも思えます。
正直、とても陪審員や裁判官の「感情」が作用した判決だったなあとも。
この制度による裁判は、とにかく陪審員の感情を味方に付けた方が勝つのだなあと思いました。
そして、“こんな判断の付けがたい問題の陪審員をまかされるのだけは御免だ”とも思ったりして、
自分だったら責任持ちきれません;
でも日本でも陪審員制度が遠からずスタートするはずなんですねえ、うーむむむ
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