クラッシュ(映画:ポール・ハギス監督)
まずはアカデミー賞めでたやです。
クリスマス前のLAを舞台に、ある自動車事故を介して様々な人々の運命の交錯を描き出す群像劇です。
「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を担当したポール・ハギス氏の初監督作です。
複雑に絡む人間関係を描いた手腕が見事でありました。
多数の人々が絡み合う群像劇らしいという認識以外は前情報無しで見ました。
これまで何度か書いていますが、映画館で新鮮な感動を味わいたい為、事前には極力情報は入れないようにしています。その為、予習しておいた方がいいタイプの社会派映画だと困ることもあるのですが(^^;)、今作は大丈夫だったかと。普遍性のある問題と思えますし、映画自体分かりやすく描かれていると思いますので。
で、なるほどああいう話だったのですねえ。
様々な人種、階層の人々が住む街を舞台に、差別と偏見と銃の国の姿を描き出した社会派作品でした。
一つの悪い出来事が他の人に影響を与えながら連綿と負の連鎖が続き、人々がエゴイズムむき出しにヒステリックにぶつかり合う前半はやりきれない陰鬱な気分になりましたが、
それでもグイグイと引き込まれて目が離せない映画でありました。
終盤の展開はやや都合が良すぎる部分も感じましたが、それでも救いあり苦みありの各々の展開は面白く見られました。シビアさと甘さを備えたいい映画です。
1人の行動が他の人に次々影響を与えていく様は、社会の中にいる自分の姿を見直さねばとの警告を与えられたように感じました。
見ていて「おまえら簡単に発砲しすぎ」と思いましたが、現実もあんなものなんでしょうねえ。
と言うか、現実の方がはるかに救いが無いのでしょう。
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