« タイフーン(映画) | トップページ | 天王寺動物園 »

2006年5月 3日 (水)

小さな勇者たち ガメラ(映画)

(田崎竜太監督)

ネットで聞こえてくる評判はやたら悪かったですが、子供向きジュブナイルとして見ればそんなに悪くは無かったかと。
それなりに十分楽しめました。(まあうちの評価はいつも基本的に甘めなんですけどね)

・とりあえず平成ガメラは忘れて見るべきです。まっさらの気持ちで見ましょう。
・とは言え、冒頭のVSギャオスはどうしても「ガメラ3」のラストを連想してしまって燃えるわけですが。
・怪獣ガチンコバトルを期待して行くのは止めた方がいいと思います。
・心に傷を負った子供が異形の生物と出会って分かれて成長する。超べったべたのジュブナイルですが、そういう作品だと思って見れば悪くはありません。ちょっとステレオタイプ過ぎで踏み込みが足りないとも思いますが、描写自体は悪くないかと。
・それでも「子供リレー」はさすがにどうかと思いましたけどね。

・子供を無理矢理活躍させようとする「子供リレー」のせいで、終盤の戦闘シーンが無駄に長いです。
・真の力が発揮できないガメラに対して敵怪獣“ジーダス”も技の種類が少ないので戦闘がとても単調。あと5分切りましょうよ。
・とは言え覚醒後のバトルは素直に燃えます。シンプルな決着も新たな1作目としては良いかと(続編があるかは知りませんが)(ここで綺麗に完結でいいと思う)
・「子供リレー」については、同じ事をやるにしても、もうちょっと説得力を持たせられないものかと。
・せめて“アレ”がガメラにとって大事な物だと伝わるエピソードを加えるなり(映画の描写だと子供達の思い込みにしか見えませんでした。結果オーライだったけど)、子供達が集まってくる理由付け位は見せて欲しかったです。
・自己犠牲の否定は分かるけど、やたらと説教臭いのはちょっといただけません。全てを懇切丁寧に分かり易いセリフにしてやらないと観客の子供に伝わらないってことも無いと思うんですけどねえ。
・主人公の少年が悩んだりトトにこだわる下りがやたらと描写が長くてクドイです。映画に限らず創作作品には「引き算」の加減が極めて大事だと思うのですが。

・大人をもうちょっと普通に大人らしく描いて欲しかった。子供向け作品だからって大人の登場人物までガキっぽく描写しなくてもよかろうに(役人の描写が漫画チック過ぎてちょっと;)
・博士はもうちょっと何か博士らしい事をしゃべって欲しかった。妙に存在感はあるけど何も言わないもんなあ。
・「親父」の扱いは悪くなかったです。子供の頃にガメラを見ている事が生かされてるのは良かったかと。

・各シーンの「絵」はなかなか燃える構図も多かったです。ビル(JRセントラルタワーズ)に突き刺さるガメラはいいですね。「橋」の上での決闘もいい絵でした。(ちょっとアメリカゴジラを思い出したり)
・戦闘シーンに限らず、画面の「絵作り」は全体的に良かったと思います。ちょっとしたシーンも印象的に感じました。
・今回は名古屋とか伊勢志摩方面が舞台なんですね(だから真珠なのか)。あの辺りはちょっと馴染みがあるので楽しかったです。
・ガメラ搬送のシーンはつい心の中で「ドナドナドーナードーナー♪」と歌ってしまったりして(^^;

・今回のガメラの顔は、やっぱりちょっと可愛すぎです(^^;。成長途中の段階はともかく、最後の形態はもうちょっと精悍な顔にしてくれても良かったのになあ。
・平成ガメラが「おっさん」なイメージなのに対して、今回は子供っぽさを全面に出すアプローチなのでしょうけど、それでもちょっと不自然に可愛すぎかと。番組が違うと思いました(^^;

・ところで今回のガメラって弱いですね。まあ流血はガメラの持ち味ですし、弱いのに頑張るのがミソですが。
・前半の「ただのカメ(ケヅメリクガメ)」なトトのシーンもあれはあれで面白かったです。空中浮遊やフライパンは素直に楽しかったですし。
・“VS出刃包丁”は「ギロン」へのオマージュですか?(笑)
・少年が指を差し出すシーンでは、ガメラも指を差し出したりしないかとちょっと焦りました。(ETじゃないって(笑))
・小学生の頃、学校帰りに怪しげなおっちゃんから買ったミドリガメを育てたけど一冬保たなかったなあとか;;、
台風の翌朝家のバルコニーにいきなり見知らぬミドリガメが出現したことがあったなあとか、
色々思い出してちょっとノスタルジーでした。

公式サイト

|

« タイフーン(映画) | トップページ | 天王寺動物園 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 小さな勇者たち ガメラ(映画):

« タイフーン(映画) | トップページ | 天王寺動物園 »