嫌われ松子の一生(映画)
(中島哲也 監督)
原作は未読。
河川敷で遺体として発見された女性の人生を振り返って描いた話。
中学教師だった松子はある事件により学校を辞め、同棲した男は自殺し、ソープ嬢になり、やがてヒモを殺して刑務所にまで入ることになる…。、
悲惨な話なのだけど、実に面白い。でもやっぱり悲惨だ。それでも面白いけど。
悲劇的な女性の生涯をあくまで陰気にならず、明るく不快感少なく見せてくれる手腕と、総天然色な映像の美しさ&面白さはさすがに職人芸。
私としては(私が男であるためか、はたまたあまりに彼女と性格が違うためなのか)、松子の不幸は彼女の場当たりな考えの足り無さと、男を見る目の無さによる自業自得の面が極めて強いとは思えたし、「殴られても一人ぼっちよりマシ」との心境にも共感はし難かったですが、
それでもリアルなやるさなさと、人としての愛らしさを感じて泣かされました。
(共感が出来るか否かは、見る人の人生経験次第でかなり分かれそうかと)
松子の“あのおかしな表情”も由来を知ればなんとも切ないです。
某人物と松子のすれ違い、
同じように相手を思っていても、その為にかえってすれ違ってしまう哀しさを感じました。
やっぱり相互理解には話し合いが大事ですね。(そういう話でも無い気がするけど)
昭和から平成にかけて切り取られた時代の風景も見所でした。
あんな時代もあったねとしみじみと見てしまいました。
石油ショックでのトイレットペーパー品切れのあたり、
ちょうど今もトイレットペーパーやティッシュが値上げとのことで、妙にタイムリーです(^^;
「まげてのばして」の歌が耳に後々まで頭に残ります。
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