グッドナイト&グッドラック(映画)
(ジョージ・クルーニー監督)
1950年代のアメリカでの、共産主義者を告発する「赤狩り」の時代、
赤狩りの急先鋒のマッカーシー上院議員に目を付けられれば問答無用で共産主義者と決めつけられ失脚を余儀なくされた恐怖の時代に、
TV番組「シー・イット・ナウ」上でマッカーシーを批判したCBSのニュースキャスター「エド・マロー」と番組スタッフ達の戦いを描いた、実話を元にした映画です。
ちなみに「グッドナイト&グッドラック」は番組の最後でエド・マローが言う挨拶です。
映画はモノクロームで50年代の世界を再現するように描かれ、
決してドラマチックに大きく盛り上げたりはせずに淡々と描写されます。
その静かな描写ゆえに、逆に時代の狂気性や彼等の熱気が迫力をもって感じられる映画となっていました。名作です。
ここで描かれる出来事については、あまり懇切丁寧な説明がされている訳ではありませんが、
映画を見ていれば大体のなりゆきや時代の空気は掴めるかと思います。
ただ、それでもやっぱりある程度は予習をしていった方がいいタイプの映画だとは思います。
ジャーナリズムの良心や正義という物は、正直、今の世の中では素直に信じ難くなってしまったものですが、
そんな今の時代だからこそ意味がある作品だとも言えます。(世の中の状況からしてもですね)
ところで、ひとつだけ難点を上げると、
モノクロームの画面は時代の空気を感じさせてくれて良いのですが、
「字幕」が背景にとけ込んで読み難い場面がかなりありました;
字幕の出る位置を出来るだけ画面の暗い位置に移動する配慮は見られましたけど、
正直それでもかなり辛かった。
もうちょっと何とかならないかなあ。
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