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2006年7月25日 (火)

時をかける少女(映画)

(細田守監督)

時間を超える能力“タイムリープ”を手に入れた少女の話。
SF(すこし不思議)でド直球な青春映画です。
ちなみにアニメーション作品。

えー、はっきり言いまして、
超趣味です。素晴らしい!
この夏のイチ押しです。まだ夏映画全部見た訳じゃないけどさ(おぃ)
個人的にはここ数ヶ月の映画の中でも屈指の満足度&爽快感&幸福感で、見た当日は休日出勤した後でしたが疲れもスッ飛びました(笑)
いい作品に出会えるのは幸せだと心から思わせてくれました。いやー、よかった。
これでもう、来週見るつもりのゲドが駄目だとしても許せます(笑)

筒井康隆氏の原作小説及び、原田知世主演の1983年のヒット映画のリメイク作…ではなくて、
旧映画から約20年後の「現代」を舞台にした続編です。
ただし、旧作の主人公・芳山和子も登場はしますがあくまで脇役で、現代の女子高生を新たに主人公にした完全新作になっています。
ですので、旧作や原作を知る人はニヤリと出来ると思いますが、知らなくても問題ありません。
気にせず行くべし!

ちなみに私の場合、
旧映画はきっちりは見てなかったと思います。たしか。(再放送してくれないかなあ)
原作小説は学生の頃に読みましたが結構忘れ気味で、
一番鮮明に記憶に残っているのが、ゆうきまさみ氏のパロディ漫画『時をかける学園(ねらわれたしょうじょ)』だったりするあたり、何か間違ってる気もします(苦笑)
後、ツキノガク氏の旧作漫画版を最近読みました。
そんな訳で旧作の事はあまり言えませんが、旧作の知識が朧でも楽しめた例と言うことで。

エヴァンゲリオンの貞本義行氏キャラクターデザインのアニメ作品ですが、オタク向けではなく普遍性の高い仕上がりになっていて、素直に笑えて楽しめて泣ける実に気持ちいい映画でした。
また、見る人の年代によっても、それぞれの感慨を持てる作品ですので、若い人もおっさんおばさんも是非見るべし!

過去に跳ぶ事が出来るようになった少女の話で、SF的な話なのですが、
映画はタイムパラドックス的なややこしい話はあっけらかんとスッ飛ばして、疾走感に溢れた青春映画になっています。(SF:青春物の比率は2:8くらいか(?))
ちょっとしたことで気軽にホイホイ過去に戻ってやりなおしてしまうので、話自体は実際はかなりややこしい事になっていそうなのですが、
それをややこしく感じさせない見せ方が実に上手いです。
タイムリープの使い道のくだらなさがとてもいい(笑)
前半は笑いっぱなしでした。

そして後半はジュブナイルらしい爽快感と切なさの溢れる展開でありました。
大泣きこそしなかったですが、涙腺が刺激されまくりで目頭が熱くなりました。
この映画、青春の“前向きさ”と“逃げ腰さ”と“いいかげんさ”と“誠実さ”とが実にいいバランスで織り成しあって成立しているのですね。
まさに青春で、ああいう不安定な年代だなあと感慨深かったです。
まあ、自分の学生時代はあれほど青春っぽくなかったですが(笑)

映画やドラマで色んなリメイクがされてきた(ほとんど見てないけど)作品ですが、アニメ化は初めてとのこと。
で、今作については、“アニメであること”による表現手法がとても綺麗にハマっていたと思います。
アニメならではのコミカルさや疾走感が実に作品にマッチしていました。
細かく描き込まれた背景に対して、人物は影もほとんど無い、線のシンプルな絵で描かれていますが、
それゆえの軽快な動きが素晴らしいのです。
(「ドラえもん・のび太の恐竜2006」での方法に近いでしょうか?)
走りまくって跳びまくって転がりまくる(笑)真琴が実に魅力的で、
文字通りに『時をかけまくる少女』でありました。

主人公の真琴は結構アホの子なのですが、その行動は実に真っ直ぐで嫌みが無く、
その心情の変化がよく見えて、思い入れが出来る、実に魅力的なキャラクターでした。
温かい目で見守りたくなります。
うんうん、思い切り泣け、という感じで …って、コレは父親的な感情ですか?(笑)

以下は雑感をダラダラと書いてみます。
■とりあえず、走るときは前を見ろと(あと冷蔵庫を開けっぱなしにするなと)見ながら思っていましたので、作中でちゃんとフォローしてくれて良かったです(笑)
■あの坂道、物凄い急傾斜ですね。
ポスターを見ていると45度を越えてるんじゃないかというくらい(^^;
神戸や西宮方面でも山間は坂が多いのでなんだか馴染み深く感じました。
■あのタイムリープ、真琴は「過去」にばかり跳んでたけど、
本来は「未来」にも行けるはずですよね。(でないと千昭は帰れないし)、
しかし真琴にすれば未来に跳ぶ理由はないか。
■本来なら、転げ回らなくてもタイムリープは出来るんでしょうねえ。
真琴は我流で跳び方を覚えるしかなかったからああなってるだけで。

★★★以下超ネタバレ注意。見てない人は読まないこと(文字反転)★★★

■真琴は最後、自分が「無かったことにした」千昭の言葉をちゃんと聞くために、
そして千昭をちゃんと未来に帰してやるために最後の選択をしたのでしょう。
千昭と別れることになると分かっていての決断だと思うと、ホント泣けます。
■「絵」を見せてやってから帰してやれよ、とも実はちょっと思ったけど、千昭がタイムリープを使い切る前の時点(7月13日)に戻らないといけなかったわけだ。
7月13日に戻ってから素知らぬ顔で絵が完成するまでの日々を過ごしてから千昭を帰す、という選択肢もあるだろうけど、真琴の性格でそんな回りくどい真似は出来なかったんだろうなあ。
■勿論そんな回りくどい真似が出来ない真っ直ぐさがいいのですが。
■「すぐ行く、走って行く」のセリフが真琴というキャラを反映していてとても好きだ。
■千昭が「俺とつきあわねえ?」と言ったということは、秘密がバレなければ居残る選択肢もあったんですかね?(他にも友梨とつきあったり)
それとも、いつか帰らねばと思いつつも言わずにいれなかったのか?

★★★

公式サイト

★8/7追記
極私的マンガウォッチングB館さんの記事にて、時間軸のまとめをされています。素晴らしい。ご苦労様です。
“この映画において矛盾点に見える部分”についても言及されていますが、
自分はこの部分は千昭のタイムリープが特別な物で(時間を止めたりと真琴とは違った使い方もしてるし)あるために、真琴が「タイムリープ残り回数を使い切った記憶」も残っているのか、などと、極めて曖昧に考えていましたが、トリックとも考えられるのですね。
うーむ、もう一度見てみなければ(^^;

ところで千昭はどの時点で「真琴がタイムリープしてること」に気づいたんだろう。時間をリセットする様々なタイミングの前では気づきそうな場面も多かったと思うけど(消火器避けとか)、踏切前の坂で携帯で話した時点でバレそうな出来事があったのかなあ。 やはりもう一度見ねば(^^;

■というわけで↓
2回目感想

おまけ1

くるくる変わりまくる表情が魅力的。
創作欲が刺激される作品でありました。

おまけ2

こう1さんのところで書いた絵板絵。
実に走りまくりのヒロインだ。

おまけ3

『ネズミ男… 子泣き…
 あたしゃ もうちょっと がんばってみるね
 いっけえええええええ〜〜〜〜〜〜』

ホント反省してます(・e・;)
思いついたらとりあえず描いてしまう自分の性格が肉い。

おまけ4
『花京院の魂をかけるじょうじょ』というネタを思いついたけど、JoJoの該当巻が見つからないので描けません。
つーか、どう絵にすればいいのだ。

おまけ5

こうして劇場版Zガンダムは誕生した!

おまけ6

『時をかけるそば』
「お嬢ちゃん、今なんどきだい?」
「え、え? 戻りすぎてて分かんない;;」

おまけ7

ふゆかけー

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コメント

今日見てきました。うちの方では上映館1館でガラ空きでした(^_^;)
お陰で快適に見れました。
くるくると良く動いて、嫌らしさみたいなものが感じられない、爽やかな良い作品でした~


…消化器避けだとスプラッタ映画ざんす。

投稿: だいま | 2006年8月11日 (金) 14時55分

どもですー
空いてましたか~、良かったような良くないような(苦笑) どちらの地域なのでしょう。

>消化器
直させて頂きました(^^;
(えーと、一箇所ですよね^^;)
消化器だと、時をかける物体Xですよー(笑)
誤字には気をつけようと思いつつ、やるときにはやっちゃいますね。お恥ずかしい。

投稿: でんでん | 2006年8月11日 (金) 16時55分

札幌です。全市で1館、1日2回上映。

ムスメ(小5)と行ってきました。
自分は東京に何回か遊びに行ったことがあるので、ごみごみして坂があって電車が走って…と言う風景に見覚えがあるのですが、多分ムスメにはあの風景は異国のソレに見えていたと思います。

ちょこちょこ半ベソかきつつ「面白かった!」と言っていたので、ある程度は解った模様です。

投稿: だいま | 2006年8月11日 (金) 18時28分

自分としては神戸の坂道を思い出していましたが、あの坂道の最後が踏切なのは凶悪です;
娘さんも楽しまれたならばよかったですね。

投稿: でんでん | 2006年8月11日 (金) 21時09分

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