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2006年7月18日 (火)

日本沈没(映画)

(樋口真嗣監督)

ネット上では低めの評価ばかり見ていたので、余り期待せずに見た為か、それなりに楽しむことが出来ました。
しかし、小松左京氏の原作や1973年版の映画とはテイストが全然違う別物の作品ではあります。
災害・政治シミュレーション的要素は浅く薄くなり、問題定義や悲壮感や重みは極めて少なくなり、
派手で御都合主義優先の完全なエンターテインメント指向の作品になっていました。
ぶっちゃけて言えば和製ア●マ●ドンというかディ●プイン●クトというか。
正直言って、とてもツッコミ心をくすぐられる作品だったかと思います(苦笑)

災害描写については、やはり阪神淡路大震災にも触れられていて、元神戸市民としては複雑な感慨がありました。
VFXと大人数のエキストラで描かれた被災シーンはさすがに迫力と悲壮感が漂っていました。
しかし、それと交互に描写される恋愛シーンの陳腐さはもう少しどうにかならなかったものかと残念でなりません。冗長で完全に映画の流れをぶった切ってしまうのが非情に痛い。
恋愛シーンはあと15分削ってよいかと思いました。大人の事情で難しいのかも知れませんが。

恋愛パートは別れの場面が無駄に長くて辛かったです。テントのシーンが最後でいいと思うんですけどね。
このシーンといい、ラストのヒロインがもんじゃ屋一行を救出するシーンといい、恋愛部分以外にもどうにも余分で御都合主義全開なシーンが多すぎで白けてしまいました。
描写量は多ければいいという物ではなくて、「描かない美学」という物が欠如しているのだなあと感じましたが、この辺りは単に個人的な好みの問題でしょうか。

日本の沈没について、
某さんが描かれてましたが『日本沈没未遂』でしたね(苦笑)
あるいは『日本七割くらい沈没』と言うべきでしょうか。
こうした結末に落ち着いてしまった為に、映画として小さくまとまってしまったように思えます。
クライマックスの作戦シーンは迫力はあって娯楽作品的には楽しかったんですが、
“世界の中での日本人の立ち位置”と言うような作品としての問題定義の要素も、プレートと一緒に文字通りに吹っ飛んでしまって、やはりこの作品は『日本沈没』とは言えないなあと思いました(^^;

ところで、この「作戦」ですが、
「N2爆薬」ってエヴァンゲリオン以外に元ネタがあるんでしょーか?
検索しても見つかるのは専らエヴァばかりだし;
まあ庵野秀明監督も映画に参加してたからいいのか(笑)
後、妻も言ってましたが、あの作戦の後って、多大な津波の二次被害を国内及び周辺諸国に撒き散らしてるんじゃなかろうかと(^^;;

大阪の水没シーンなど、各地方の災害描写は印象的でしたので、見知った町を舞台とした「ご当地災害物」として見ると単純に面白いとは思います。
水に沈んだ大阪は、この暑い日々で見ると「涼しそうだなあ」と感じて良かったです(笑)

原作や旧作で主人公が生き延びた事や、全体的にエンターテインメント色の強い展開であるため、
最後に何のかんの言っても主人公が生きて帰ってきてしまうのではと恐れていましたが、
さすがにそれは無かったので、そこは安心しました(^^;

しかしあの主人公、他所感想でも書かれていますが、地震と噴火で荒れまくって交通網が無事かも分からない日本の中で、あの各地への移動能力の高さは何なんでしょう。テレポートでも出来るのかと思いました(^^;
また、携帯電話が使えるとも思い難い状況の中で的確に各地の知り合いを見つける能力からして、テレパシーも使えるのかと(苦笑)
後、ヒロインの細腕が「レスキュー隊員」に全然見えないのはどうにかして欲しかったです。

各所でMacが大活躍しているのにちょっと笑ってしまいました(^^
樋口監督がとてもMacが好きということのようで(笑)

政治シミュレーションとしては秋公開の『日本以外全部沈没』が意外と頑張ってくれるのではないかと期待してたりします(笑)

あと、21人の漫画家が故郷を沈めるテーマで描かれた『日本ふるさと沈没』が面白かったです。

公式サイト

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