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2006年11月 7日 (火)

DEATH NOTE -デスノート- the Last name(映画)

(金子修介監督)

名前を書くと相手が死ぬ「死のノート」を得た青年の話。
週刊少年ジャンプ原作の人気漫画の映画化作品で、今年6月に公開された「DEATH NOTE -デスノート-前編」の続きにして完結編です。
(前編の感想はコチラ
とりあえず、この映画に関しては原作ファンとしての視点でしか語れませんので、そのつもりでお読み下さい。
以下、どうしてもネタバレ気味になるので「続きを読む」にて。(直接的ネタバレは出来るだけ避けますが)

一原作ファンとしては、なかなか満足出来た映画だったと思います。面白かったです。
『漫画作品の実写映画化作品』という目で見れば、理想的とも言える姿勢で作られたと思える作品でした。
原作をただそのまんま実写に移し換えたわけではなく、映画監督の私的作品としてやりたい限りに暴走したわけでもない、
『漫画原作を実写映画に置き換えるために原作を読み込んで租借して、映画として成立させるために作品の芯を残しながら変えるところは変えて、誠意をもって再構築した作品』と言って良いのではないかと。
大胆に原作から展開をアレンジしながらも、原作への愛を感じる良い漫画の映画化作品でした。

いまいち感想がまとまりきらないので以下は箇条書きにて。

・前編で単行本の1〜3巻序盤あたりを描いたのに対して、今回は3〜7巻+αあたりを描いています(ヨツバは出ませんが)、前編に比べて原作使用箇所の分量が多い事もあって、場面場面の展開がとても早く、前編に比べて凄い密度になっていました
・ですが、映画として“短縮の仕方”が上手くて、大胆に話を削りながらも話はすんなり繋がっていたと思います。一本の140分のストーリーとして違和感なくまとまっていたのではないかと。
・クライマックスは前宣伝通りに『オリジナル展開での決着』ですが、私としては“原作の第1部を連載していた当時に望んだラストをやっと見られた”という思いを得ることが出来ました。途中には確かにツッコミたくなる箇所もあるんですが、クライマックスは原作読者としても「その手があったか」と驚きを感じられる、満足の行く結末にになっていたと思います。(キラ派の人にとっては違うかも知れませんが^^;)

・各人物の役回りは結構原作から変更されてます。模木さんは可哀想でした。本来宇生田の役回りなのになあ(^^;(キャラの性格自体模木さんというより宇生田のキャラになっていた気もしますけど)
・捜査本部の面々は、正直パパと松田以外は個別認識が出来ないままでした。まあ140分の映画ですし、あまり脇役のキャラを立てても仕方ないからコレで正解でしょうね。
・出目川の体型が細くてビックリ。宣伝を見ていて「誰だこのメガネ」と思ったんですが、まさかアレが出目川だったとは。とはいえキャラの“嫌らしさ”はピッタリでした(笑)
・“第3のキラ”が「ヨツバ」ではなかったのは、一本の映画としてまとめるには当然の適切な選択だと思いましたが、そこで「魅上」ではなくて「高田」を持ってきたのはちょっと驚きでした、男より女の方が「華がある(笑)」と判断したんでしょうか?(笑)

・前編で映画オリジナルの恋人「詩織」が存在していたことを思うと、速攻で次の女(ミサ)とつき合う月の非道さが対外的に強調されていると思いました(笑)
夜神パパや捜査本部の人もその辺をツッコみたかったんじゃないかとも思うんだけど(^^;
・よりにもよってノートにパパの名前を書いてしまう月、やっぱり映画版の月はある意味原作より極悪だ(^^;、アレでてっきり「ミサに月を殺させる」展開になるかと思いましたよ。
・月の顔が「丸い」と思いました(苦笑)
・それにしても“松山L”の存在感の凄さよ。不気味でコミカルで素晴らしい。

・「死神の目」が“金色”だったのが少し意外に感じました。なんだか“赤い”イメージをいつの間にか持ってましたが(原作でカラーで描かれた事ってありましたっけ?、うーん忘れた。)、リュークやレムの目は原作でも黄色(金色)で描かれてたからこちらが正解なんでしょうね。
・クライマックスでLが“死んだ”際、月は脈とか確かめなかったんですかね。はたまた脇にピンポンでもはさんで脈を止めてたのかなあとか(笑)

・ラストは、原作より救いのある話になっていたと思えます。それは展開の違いだけが理由ではなく、原作ではあえて切り捨てていた「人間ドラマ」と各人の「人間性」を重視して見せてくれることで、各人の心情に思いをはせることが出来て、クールな原作とは別種の情感を感じられたが故かも知れません(原作の硬質な持ち味はそれはそれでいいんですけどね)。ハッピーエンドでは無いですが、後味は消して悪くないです。
・原作に比べて特に『仲が悪く』描かれていた夜神パパとLの関係も、“あのラスト”の為にあえてそう描いていたのかなと思います。そう考えると泣けます。

・ラストカットの1年後の世界で飛び回るリュークはちょっと余分だった気もします。
・それにしても、ジェラスかわいいよジェラス。

ちなみに蛇足ですが、前編の時と同じく、やっぱり客層はちょっと悪かったです。
上映中に喋ったり携帯を光らせるのは勘弁してください(^^;

公式サイト



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コメント

こんにちは。TBさせて頂きます。
”書いてはならない名前”を書いた月は、マンガより最悪でしたね。あっ、月の顔がまあるいのも最悪?!でしたね。
映画では、L(エル)の存在感は、大きかったです。松山ケンイチの名前は、皆の頭にインプットされたことでしょう。

少年誌の感想、時々読んでいます。お疲れ様です。ウチは、サンデーとマガジンを購読しています。ジャンプは、あちこちに落ちているそうで、息子が拾ってきます。

投稿: ガガ | 2006年11月 8日 (水) 11時56分

月は漫画より“人間くさく”は思えましたが、漫画以上に最低野郎でもありましたね。
松山ケンイチ氏の名前は今回ばっちり認識しました。
読んでもらっていてありがとうございます〜

投稿: でんでん | 2006年11月 8日 (水) 22時10分

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