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2006年12月19日 (火)

イカとクジラ(映画)

(ノア・バームバック監督)

海洋ものっぽいタイトルだと思ったら「ライフ・アクアティック」のウェス・アンダーソンが製作だったらしい。
や、全然海洋物では無いのだけど(^^;


インテリのエリート主義で売れない作家の父と、作家の世界に新たに足を踏み入れて活躍を始めた浮気性の母が離婚することにな

り、2人の息子は週の半分ずつを父母それぞれの元で交互に過ごす事になる。
インテリの父に傾倒する16歳の長男は父の影響に縛られて他人の心理を無視した言動を繰り返し、
母に素直に従う12歳の次男も学校で自慰を行う奇行を始めと、
離婚を契機に家族はそれぞれに追い詰められていく…


家族の崩壊をシビアながらもユーモラスに描いた作品です。
ユーモラスではありますが、やっぱり、人間の嫌な面を自分のことのように妙にリアルに増幅して見せられる、かなりイヤ~な映画でもあります。

相手の心を思いやることが出来ずに自分の事だけ主張する父に、自分の言葉を持たずに父ばかりに呪縛される劣化コピーな長男、
夫への反発を浮気で晴らしそれを自分を慕う息子にも隠そうとしない母に、追い詰められてろくな発散も出来ない次男。
自分のことしか見えていない彼らの性格の「イヤ~」な部分は、大なり小なり僅かばかりでも、どこかで思い当たる部分がある人はそれなりにいるのではと思いました。
いたたたた;;;

ラストは静かですが、父の呪縛からの解放なのだろうと思うと救われる気分にもなります。
作中での「イカとクジラ」に纏わるエピソードを覚えてないと駄目ですが;(そこを強調するためにこのタイトルにしたのでしょうか)

公式サイト

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» 映画「イカとクジラ」 [+Think]
 ようやく見てきました「イカとクジラ」。  舞台は1980年。  父は大学で講師をして何とか稼いでいる売れない作家。 「高尚過ぎて受け入れられないんだ」と長男はフォローしますが、果たしてどんなものを書いているやら。  息子が高校の授業で習う作品にケチをつけ、自分の「高尚な」文学論を息子に押し付け、本を読まず映画を見ないような人間を「俗物」と見下してばかり。  母は結婚後、小説家としてデビューしたのかな?  理想家というよりもいっそ夢想家な父に比して、クールな実際家。  父とは違... [続きを読む]

受信: 2007年1月22日 (月) 11時53分

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