善き人のためのソナタ(映画)
(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)
冷戦時代の東ドイツで国家保安省(シュタージ)によって行われていた国民の相互監視システムという国家の暗部に切り込んだ映画です。
多くの人間がシュタージの諜報・盗聴等の活動により“政治犯”として拘束された影には、約17万人の密告者(IM)の存在があったとか。
そして東西統一後にシュタージの“公文書”が開示されたことで、シュタージの被害者を売ったIM=被害者の隣人・家族のことも明らかになって相互不信の種となっているとのことで、映画は4年にわたるシュタージに関するリサーチを生かして作られています。
映画のストーリーとしてはシュタージの大尉ヴィースラーが劇作家ドライマンとその恋人クリスタの日常を監視することになる中で心に変化が起き始めるという話で、
静かながらも重みのある展開で見応えのある映画です。
淡々とした描写にリアリティを感じさせられました。
“統一前”と“後”のギャップや、公文書の閲覧風景の描写なども興味深かったです。(もっとも、現在は公文書も電子化されていて、映画のような書類での閲覧は無くなっているようですが)
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コメント
こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
映画「善き人のためのソナタ」もとりあげています。
よかったら、寄ってみてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611
投稿: kemukemu | 2007年3月 8日 (木) 23時03分