世界最速のインディアン(映画)
(ロジャー・ドナルドソン監督)
■以下ネタバレ注意
60歳を越えて、40年以上独自に改良を続けた骨董品的に古いオートバイ“インディアン・スカウト(1920年生)”にて、現在でも破られていないスピード世界記録を1960年代に打ち立てたという、漫画のような実在の人物“バート・マンロー”を描いた映画です。
自分はバイクには詳しくないですが、それでも全く問題なく素直に面白かったです。
ゆるい空気感と御都合的にも見える展開は好みが分かれるかも知れませんが、アンソニー・ホプキンス演じるぶっ飛んだじじいは見物だろうと思います。
映画で描かれるバート・マンローの人間性や行動がどこまで実話に即しているかは分かりませんが、
まずこのバートのキャラクターが面白い。
年金をバイクの改良に注ぎ込み、若者とスピードで張り合い、
ニュージーランドから地球の裏側とも言えるアメリカ・ソルトレイクのスピード競技会に財産を注ぎ込んで向かうと言うのに、宿の予約もしていないという行き当たりばったりぷり。
それでいて異様な行動力と他者の親切に助けられてピンチを乗り越えるという、これまた漫画のような人物像が実に楽しいです。
とてもはた迷惑な人なのに、人懐っこくて憎めない愛すべきじじい像を演じるアンソニー・ホプキンスが楽しそうで、存在感たっぷりで実にハマり役でした。とてもレクター博士と同じ人とは思えません(笑)
実在のバート氏は、元々最高時速80キロのバイクを改良して300キロを越える記録を出したとか。映画では資金不足もあって「台所のドア」まで改造に組み込んでましたが、どんな改造をすればそこまでの改造が出来るのやら。
繰り返しますが本当に漫画のような話です。現実はフィクションより奇なりだなあ。
映画で競技会の舞台になった“スピードの聖地”アメリカのボンヌヴィル塩平原(ソルトフラッツ)は『氷の無いスケート場』のようで、とても不思議な風景でした。
塩の湖が乾いたデザートエリアで、地面が塩でガチガチに固められた広い広い空間のため、時速500キロ以上を出すことが出来る地球上でも数少ない場所の一つなのだとか。
1960年代のゆるやかで大雑把な空気感がなんともいいですね。情報社会の現代では同じ話は成立しないでしょうねえ。
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コメント
でんでんさんも、観に行かれたのですね。
良かったですね。この日一日、幸せな気分でした。
私はレクター博士も好きなんですが、本人はもうイヤだと言ってましたね(笑)
投稿: あん | 2007年2月13日 (火) 18時28分
気持ちいい映画でしたよ~
レクター役はイヤがられてますか。いい役なんですが、仕方ないかも知れませんね(笑)
投稿: でんでん | 2007年2月13日 (火) 23時46分