ドリームガールズ(映画)
(ビル・コンドン監督)
これまでも何度か書いてきた事ですが、
ネタバレや先入観なしで面白い映画と出会いたいが故に、自分は映画を見る時には出来るだけ前情報を入れずに見るようにしてる訳ですが、
こういう見方をしていると、「予習が必要なタイプの映画」で失敗することがちょくちょくあります。今作がまさにソレ(笑)
1960年代に実際にアメリカで活躍した人気レーベル“モータウン”の黒人女性ボーカルグループ“シュープリームス”をモデルにしたブロードウェイの人気ミュージカルを映画化した作品です。
映画自体も歌と音楽を重視したミュージカル的な作品になっています。
音楽グループが商業主義に走り始め、実力あるメンバーよりも容姿で勝るメンバーが重視されて仲間割れしたり離反したり成功したり挫折したりする話で、
実話だということを知らずに見た為、正直『よくある話だなあ』と思って見ていましたが、
よくあるも何も、“よくある話の元祖的な話”だったわけです。なるほど。
黒人音楽が大衆化していく過程を描いた、アメリカの音楽史を背景にした作品なのですが、
この辺りを理解するには、やはり映画を見る前に予習が必須の映画ではあります。
当時の業界の再現性は高いらしいですが、『映画を観ることで当時の音楽史を学べる』という程に親切な作りにはなっておらず説明不足気味で、背景事情はかなりあっさりした描写で流されてしまっていますので。
最低限『当時の黒人音楽家達にとって音楽に込めるソウルやメッセージがいかに大事だったか』を認識した上で観た方が良いと思われます。
正直自分は黒人音楽や洋楽はおろか、邦楽すらあまり聞かない人間ですので、表面的な歴史はともかく“彼らが何故それほど音楽にこだわるのか”は映画を観ているだけでは少し伝わりにくかったです。
音楽に疎い私ですが、それでもジェニファー・ハドソンの歌声力は素晴らしく、随所で入るミュージカルシーンは見応えがありました。
ストーリー自体はシンプルすぎるほどシンプルで、描写も(作中で10年近い時間が流れることもあって)かなりダイジェスト的で、“大河感”はあるものの深みには欠ける気もしますが、
音楽シーンで十分それなりの満足感は得られる映画かと思います。(ミュージカル自体が苦手な人にはダメでしょうが)
最後は爽やかな感動がありますが、ただ、“実話”ではあんな爽やかな最後にはならなかったらしいんですけどね(^^;
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コメント
確かに、純粋に映画を楽しむには、前情報無しで観たほうがいいですね。
ただ、最近、マンガの実写化が多すぎて、私も一言言わずにいられない状況で困っています(笑)
これは、圧倒的な音楽シーンに、楽しめました。
そう”実話”ではあんなに爽やかな最後じゃなかったでしょうね。
投稿: あん | 2007年3月 6日 (火) 11時47分
原作付き映画、最近はとみに多いですね。
原作を知っている人は、映画と原作は別物と分かっていても、やっぱりどうしても一言言わずにいられなくなるわけで、
複雑な心境です(^^;
音楽シーンは凄かったですね~
投稿: でんでん | 2007年3月 7日 (水) 12時30分