ホリデイ(映画)
(ナンシー・メイヤーズ監督)
ハリウッドに住む映画予告編製作会社の女社長のアマンダ(キャメロン・ディアス)と、
ロンドン郊外に住む新聞記者のアイリス(ケイト・ウィンスレット)。
それぞれに失恋した2人がインターネットを通して知り合い、互いの家や車をまるごと交換する『ホームエクスチェンジ』を行って、2週間のクリスマス休暇を取ることになるという話。
当然のように、訪れた異境の地でそれぞれ新しい出会いを得るというラブコメです。
予想を超える展開はありませんが、気軽に見て楽しめる映画でした。
しかしまあ、家を「明日から」といきなり交換出来るのは凄いです。散らかりまくりのうちでは絶対無理だなあ。
映画では、準備期間も無しで「カギの交換とかはどうやったのか」とか疑問に感じる部分もありますが、あまり細かい部分をつっこむ映画でも無いのでまあいいか。(新聞受けとか植木鉢にカギを隠して置いたとかだと不用心すぎますが、そもそもホームエクスチェンジ自体がとても不用心な事に思えるけど、実際に行われてることなんですねえ)
しかし、『ロンドンって飲酒運転OKなのか?』とは気になりました(^^;
アマンダの運転する車には絶対乗りたくありません(苦笑)
(軽く検索してみると、イギリスは飲酒運転に厳しいという話もあれば、ビールならOKという話もありますな。ほほー)
異境の“青い隣の芝”に飛び込んで新しい人達と出会いながら癒され、成長していく女性達を描いた話だと思うのですが、
いい人間関係を築いていって、古い自分の殻も破ってみせるアイリスはともかく、
極端な言い方をすると「イケメンのグラハム(ジュード・ロウ)と出会って寝るだけ」とも言えるアマンダの方は、あれでいーのだろうか、とも思いました。
アマンダが『家族』というものにトラウマを持っている話を出したのだから、グラハムの娘達との交流にもっと重点を置いても良かったのでは、という気もします。
アマンダは、他人に接する際に予防線を張りまくりで自己防衛心が強い女性である事が示されますが(防衛機制と言うのか?)、なかなか自分のペルソナを外せないアマンダは、果たして最後に仮面を外すことが出来るようになったのだろうか、と少し疑問に思えてしまいました。
最後まで見ても、彼らの将来に対する問題点は何も解決してませんし、あの後のアマンダは本当に幸せになれるんですかねえ。
そういうことが気になってしまうのも、こういう映画に『めでたしめでたし』を求めすぎなのかも知れませんけどね。
むしろタイトル通りに『休暇期間中の癒し』だけに焦点を絞った映画と捉えるべきなのかも知れません。
ハリウッドのアイリスサイドでの元映画脚本家のアーサー爺さんのエピソードがいいですね。(あんなに短時間でリハビリができるだろうかとも思うけど、まあよし)
アイリスサイドの描写はアーサーや近所の人々との交流が気持ちいいですが、ラブコメとしては、肝心のマイルズ(ジャック・ブラック)との恋愛描写はやや薄めだったかも知れません。
要するに、
アマンダサイドでは恋愛要素が強すぎでそれ以外の人間関係が絡む余地が足りず、
アイリスサイドでは人間関係描写や女性の成長物語として楽しいものの恋愛要素はちょっと物足りないというわけですが、
しかし、そもそも2組のカップルの話を同時進行するだけでも『詰め込みすぎ』とも言える訳で、個々の描写に踏み込みが足りなくなるのは仕方ない事でしょうね。
アマンダとアイリスをそれぞれ印象的に、対称的に見せる手腕は上手かったと思います。
物足りないと言いつつ、ジャック・ブラックのキャラクターのおいしさ・面白さは健在でした。味のある人だなあ、ホント。
ファンの方には怒られそうですが、キャメロン・ディアスもケイト・ウィンスレットもいい年になってきたなあと思いつつ(すんません)、仕事をバリバリこなすベテランで恋愛遍歴もそれなりに経験を積んできた女性達を演じるにはとても相応しかったとも思えます。
映画予告編制作者のアマンダ絡みのネタや、元映画脚本家アーサーの古い映画ネタ、マイルズの映画音楽ネタなど、様々な形で詰め込まれた『映画ネタ』も楽しかったです。
古い映画はあまり詳しくないので分からない部分も多かったですが(^^;
アメリカとイギリスだったら言葉が通じるから旅行もしやすいかなあと思ったりしました。
ところで、『ラブ・アクチュアリー』といい、なんでクリスマスから時季を外して公開するかなあ。
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