ブラックブック(映画)
(ポール・バーホーベン監督)
ブラックブック
第二次大戦時のオランダで、家族をナチスに殺されたユダヤ人の女性“ラヘル”がレジスタンスのスパイとしてドイツ軍大尉“ムンツェ”を色仕掛けで落とすことになるが、
ムンツェの誠実な人柄に接し、苦悩していく…
…というのが予告等から読み取れる内容ですが、
こうした導入からは予想の付かない方向に流れていく話でした。
どんどん思いがけない状況に発展していって、見ながら「どこまでやるんだ?」とハラハラさせられます。
もうちょっと『普通のホロコースト物』なのかと思ってましたが、とんでもない。
ドイツ軍だけでなく、普通なら“被害者”であるオランダ人も巻き込んで、時代の熱狂の中での『人の醜さ』や『業』というものをこれでもかとばかりに見せつける、
かなり意地の悪い、毒まみれの作品です。
『人は綺麗なだけではいられない』と言いますか『因果は巡る』と言いますか。
しかし、それがエンターテインメント・サスペンスとして非常に面白いのがまたタチが悪い(苦笑)
後味はかなり悪いんですけどねー(^^;
エロとグロと皮肉と黒さに溢れた作品です。見る前に意識してなかったですが、『スターシップ・トゥルーパーズ』の監督なんですねえ。大変納得しました(笑)
次々と引っ繰り返される状況に引っ張られて、2時間超の長さが気にならない作品でした。
伏線の散りばめ方と回収がお見事。
ラストの『1956年』もまた何とも皮肉。
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