ハプニング(映画)
(M・ナイト・シャマラン監督)
“ワンアイディアツッコミ所満載トンデモ映画上等”のシャマラン監督作品。
「アンブレイカブル」を見た時には『駄目だこの監督;』と思ったのでしたが、
「サイン」以降はいつの間にか“(割としょーもない)ワンアイディアを思わせぶりに重々しーく重々しーく引っ張る”この人の持ち味が結構楽しくなっていたりしました。
と言っても「レディ・イン・ザ・ウォーター」は見てないんですけど。
で、本作は、ニューヨークを発端に次々と人々が自殺していく事件が広がっていくというパニック・サスペンスです。
最初はテロ攻撃が疑われますが、原因は不明のままで現象の範囲が広がっていって…、安全地帯を目指す主人公は生き延びることが出来るか?、という話。
ちなみに今作の見所は「多種多様な自殺映像」
これまでのシャマラン作品は割と“直接的な描写”は避けてきていましたが(予算の問題だったのかも知れないけど“大事なところを見せない”演出が多かった)、今作ではバンバン残酷な自殺描写が描かれます。まあ、やっぱり予算はかかって無さそうだし、大事なところである『事件の原因』の描写はやっぱりボカされるんですけど、映像的な見所を用意してあるのはこれまでの作品とは違うところかと思いました。
今作のテーマは結局“エコ”だと思うんですが、むしろこの『バリエーション豊かなシュールな自殺っぷり』こそが撮りたかったのではないかと思えたりして。(ちなみにPG-12です)
見た後の感想としては、シャマラン作品としては案外“普通のB級映画”的に面白かったです。
『一見大したことが無い(映像的にチープな)事象を思わせぶりに描く』シャマラン的作風は健在で、ツッコミ所や不自然なセリフや誘導はやっぱり多いですが、今作では『ラストの逆転オチ』も無く、割とすんなりと普通のサスペンス的映画になっていたと思います。
(「~ウォーター」時点で逆転オチはもう無かったらしいですが)ずっと「シックスセンス」のような『逆転オチ作劇』に頼っていても監督として未来は無いですので、こうした「普通の映画」化は悪くないと思います。
その結果で今作がどれだけ評価されるか(今後も映画を作り続けられるか)はまだ分かりませんけど。
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