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2008年9月 9日 (火)

デトロイト・メタル・シティ(映画)

(李闘士男監督)

オシャレ系ミュージシャンを目指していたはずの純朴な青年“根岸”が、自分の意志とは裏腹にデスメタルバンドのボーカル“ヨハネ・クラウザーII世”として人気を博してしまうというギャグ漫画の映画化作品です。

原作はファ●クだのレ●プだのSATSUGAIだのと過激な言葉が飛び交う結構ギリギリなヒドイギャグ漫画(誉め言葉)ですが、映画は一般層をターゲットとしたかなりマイルドな作品になっていました。(まあ、カルト向けを狙うのでもなければ当然ですね)
その分“ぬるい”とも言えますが、原作と知らない人にも普通に楽しみやすいエンターテインメント作品に仕上がっていたと思います。
原作をまともに読んでいない妻も楽しんでいましたし。

ただ、自分は原作既読ですので、以下はどうしても原作読者の視点での感想になりますのであしからず(^^;

邦画の宿命とも言えるような、微妙な『いい話路線』が入ってしまうのは「いらねー」と思いましたし、原作と比べてしまうとギャグのキレはかなり落ちてますので、やはり原作ファン・DMC信者には全体的に物足りないかも知れませんが、
それでもクラウザーさん&根岸になりきった松山ケンイチの演技は一見の価値がありました。さすが“L”になりきった男です。
根岸のクネクネした気持ち悪さとクラウザーさんの吹っ切れっぷりの演じ分けが実に素晴らしい(笑)

他のキャストも全体的にハマっていてニヤリと出来ました。
社長や観客の人達がみな“らしくて”良かったですよ。特に“観客”はこの作品では重要な役どころですから。(観客がいないとクラウザーさんの“凄さ(笑)”が伝わりませんし)
しかし、“資本主義の豚”が登場しなかったのだけは残念でした。(名前は出てましたが)
やはりアレは出せないか(^^;、グリとグラもそのままでは無理だったようですし。

キャストは良かったですが、話としては少々不満も残りました。
先にも書きましたが、無理に『ちょっといい話』要素を入れなくても不条理ギャグとして突っ走ってくれていいのになあ、と思いました。
個人的にはオチ周辺も不満で、ネタバレなのであまり書けませんが、『彼女は空気読め』と思ってしまいましたよ。これには原作をまともに知らない妻も賛同してくれましたが、まあ好みの問題かも知れないですけどね。

漫画である原作では当然“音楽”は聞こえないので、音楽の具体化は楽しかったです。
ただ、クラウザーさんの歌は(正直何を言ってるのか分かり難いので)それほど耳に残らないのですが、
『甘い甘い甘い甘い コ・イ・ビ・ト~♪』が後々まで耳に残りまくって困ります;
今も困ってます。助けてクラウザーさん…

根岸ダンスを真似てみようとやってみましたが自分には腰のフリが難しかったです。やるなあ根岸。

ところで、ハリウッドリメイク化かもなんて話が早々に出ているようですが、さすがにそれは不安です。アメリカ的なギャグセンスとはちょっと違う気もしますし、かなりテイストが変わりそうな気が。

公式サイト

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