ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 YOU CAN(NOT)ADVANCE(映画)
(庵野秀明総監督)
いやー…、凄かった…;
とりあえずは、本作は“ネタバレ無しで見るべき”作品でした。
なので、 「気になるけど、行くかどうか迷ってる」 …と言う人は、
行け!
早く行け!!
しばらくしたらネット上でもネタバレが溢れてしまうでしょうから、なるべく早く行くべきです。
本作関連で絵を描きたくもなったけど、
何を描いてもネタバレになりそうなので当面は描けねーぜ;
以下、感想を「ネタバレ無し」と「有り」に分けて書きます。
■【ネタバレ無し感想】
2007年の「序」を見る前の時点では、エヴァに対して既に割と冷めた気分になっていたものですが、その状態で見た「序」の“新鮮さ”と“あの予告”には驚かされたものでした。
そして本作がどうだったかと言うと、
「序」以上のサプライズてんこもり。
これが困った事に面白い。
庵野総監督に釣られまくった感じでなんだか実にくやしい!
この映画の9割は「意表を突くこと」と「悪趣味」で出来ていると思いました。
庵野氏及びスタッフは、本っっっ当に根性が悪いぜ!(褒め言葉)
そして、「破」のタイトル通りの旧作に対する破壊っぷりが凄い。
新規視聴者でも楽しめるかも知れませんが、本作はやはり旧作(TV版+旧劇場版)を知っている人こそがきっちり楽しめる作品かと思います。
よくここまで壊せるものだ。
展開自体はかなりハードなのに、不思議なポジティブさを感じる映画でありました。
ZガンダムがTV版→劇場版になった時以上の印象の変わりようです。
しかし、まだまだ4作中の2作目であるわけで、そのポジティブが後々で確実に裏切られそうで怖いですよ(^^;
TV版1~6話をベースとしていた「序」に対して、今作も一応はTV版をベースにしてはいるのですが、今回はもうほとんどTV版の原型を留めていませんでした。
一応TV版を思わせる場面や要素は各所であるものの、その意味合いも結構変わっていたりして、そのままの部分はほぼ無し。
TV版を元に、より発展させる方向に練り込んで来ていました。
そして、展開が早い早い、密度が濃い濃い。
本当に2時間足らずの映画だったのか、と驚くほどの濃密度っぷりでした。
盛り沢山すぎで、サービスしすぎですよホントに。
使徒もほぼ完全に新デザインになっていてビックリでした。
「序」の時は、まだTV版の原型を留めた上でのアップデートでしたが、今回はTV版の原型を留めているのは1体だけ。
そして、戦いのバージョンアップぶりが痛々しさと怖さ倍増で凄いですよ。
クライマックスは「序」でのラミエル戦が、まだ楽な戦いだったと思えるほどの激戦でした。
ほんと、よくここまで;
そして、今作は何のかんの言ってもきっちりとエンターテインメント作品になってるのが良かったですよ。
旧劇場版は、“あの”衝撃的だったTV版最終回を補間してくれる物ではありましたが、エンターテインメント性が高いとは口が裂けても言えなかったからなあ…。
TV放送から10年以上経った今だからこそ、こういう形での作品になったのかも知れません。
ああ面白かった。
以下、ネタバレ有り感想は「続きを読む」で。
■【ネタバレ有り感想】
というわけでネタバレ感想です。映画未見の人はご注意下さい。
つーか、これから見る予定の人は読んじゃいけません。マジで!
まあ、以下は感想と言うより、ほぼ思い付くがままの箇条書きです。
レイがすごく「ヒロインらしいヒロイン」になっていてビックリでした。
「序」のラストに続けての素晴らしいヒロイン扱いで、なんてエンターテインメントらしい!、と思いましたが、ホントこの先が怖くなるよ;
それに対して、… … …
アスカの扱いひでーーーーーーーー!!!
加持さんとの絡みが全然無いと思ったら…案の定;
中盤凄く穏やかな展開で、これはやばそうと思ったら御覧の有様だよ!
しかし、てっきりこの展開を決めたのは庵野総監督だとばかり思ってましたが、パンフによると鶴巻監督と貞本氏だった様子。そうだったのかー
『アスカという女を殺したのはお前か!?』と、ずばっと考えてしまうところであります(おぃ)
新キャラのマリの立ち位置は、全く予想外で意表を突かれました。
ただ、正直今回だけではそのキャラが掴みきれなかった気もしますけど、今後に期待。
エヴァに乗ることに疑問を持たない子ってのは一昔前のスーパーロボット物的キャラなんですかね。パンフでの鶴巻監督インタビューによると「昭和おやじキャラ」と言うことなんですが。
地球全体規模で見たときに海がどこまで「赤い」のか、前回ちょっと気になっていましたが、今回はその辺りも分かり易かったかと。
それなりに青いところもあるんですねー。(「序のラストでも地球の青い部分は見えてるんですが、見返すまで記憶が曖昧でした」)
とりあえず、使徒が倒された時の血の池地獄っぷりが凄い。ありゃあ海が赤くもなるわ。
「歌」の使い方が悪趣味ここに極めたりという感じでした。
「今日の日はさようなら」、いい歌なのに、すっかりトラウマソングですよ。
「けいおん!」に続いてヱヴァでも「翼をください」をフィーチャーするとは。
こちらはそれほどトラウマにはならなくて良かったです。
前回ラストで「使徒は残り8体」と言っていたと思いますが、今回で倒した使徒は5体。
ただ、冒頭で倒されたのは「第3使徒」らしいんですね。これは残り8体のカウントに入っているのかいないのか?
予告は今回も盛大に吹かせてもらいました。
序破と来て、まさかの「Q」かよ!!!???
まさかウルトラQに因んでるのか?(冒頭ウルトラマンだったし)
パンフによると、「Q」は「Quickening」=胎動という意味だそうで。
でもって、
アスカ生きてるのかよ!!!???
いやまあ良かったけど、あの状況でよくまあ生きてるものだ。
しかも足を失ったTV版トウジと違って元気そうだし。(あの状況では眼だけで怪我が済むなら可愛い物だろう)
しかしアスカも、初号機を操っていたのはダミープラグだと説明はされるだろうけど、シンジがレイの方は必死で助けたと知れば人間関係は大いに拗れそう。
予告では全然元気に明るそうなんだけど。
と言いつつ、TVでの「3人目のレイ」の如く別人なんて可能性もあるのか???
ダミープラグの操縦描写が絵的に凄く分かり易くなっていて面白かったです。
気持ち悪くてナイス。
要塞都市のエヴァ支援が面白かったですよー。なんて大規模な陸上競技場!
グリーンラインが赤くなってる初号機は格好良かったですが、
バーニングゴジラを思い出したり(おぃ)
カヲルは、やっぱり、どう見ても、「旧TV版の記憶」を持ってるのだろうなあ。
ポカポカレイが描きたい。
ああ面白かった。
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