マイマイ新子と千年の魔法(映画)
(片渕須直監督)
髙樹のぶ子氏の自伝的小説のアニメ化作品で、アリーテ姫の片渕監督の新作です。
(少なくともうちの地域では)上映が11日までということで急いで行ってきました。
普段は映画感想は土日に見て、多少なりとも文章を練って火曜にアップしていましたが、今回は上映終了も近いので急いでアップ。
お勧めです。
戦後10年の昭和30年代、山口県防府市・国衙にて、
空想力豊かな小学3年生の新子の学校に東京からの転校生・貴伊子がやってくる。
最初はなかなか田舎の生活に馴染めない貴伊子だったが、新子ともだんだんと打ち解けていって…
という話。
実に面白く引き込まれました。子供が見ても楽しめると思いますが、大人が見るとかなり心にしみるのではないかと。
子供達ののびのびとした日常を描写しがらも、結構シビアな状況も描かれていきますが、
そんな中でも逞しく笑う新子達が頼もしいです。
麦畑の向こうに船のように家が浮かぶ風景が実に美しかったです。
新子達にとっての「現代」である昭和30年代の世界の日常に、同時にとけ込むように描かれていく「千年前の空想世界」が、現代は過去から繋がる積み重ねなのだと感じさせてくれて感慨深いものでした。
1000年前の世界の中でも、数百年前の歴史に思いが馳せられているのもまた興味深いです。
1000年の歴史がお爺ちゃんから新子に受け継がれ、それがまた貴伊子に受け継がれていく積み重ねの流れを経ての、ラストの笑顔が切ないながらも実に清々しいものでした。
生きていれば様々な別れは付き物ですが、伝えられていくものはあるのだと思えました。
また、この空想世界は、日常に見える事象のカケラから千年前の物語を見つけていく新子達をより感性豊かで魅力的に見せてくれたかと思います。
昭和30年代ということで自分にとっても生まれる前の時代ですが。ポン菓子は懐かしかったです。あれは自分が子供の頃も近所に来ていたなあ。
躍動感のある音楽の使い方も印象的でした。
神戸生まれで広島までは行ってるけど、山口は(九州への修学旅行で)通過したことしかので、いずれ行ってみたいものです。
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