ダークナイト ライジング(映画)
(クリストファー・ノーラン監督)
「バットマンビギンズ」「ダークナイト」に続くクリストファー・ノーラン監督版バットマンシリーズ3作目で、「ダークナイト」でハービー・デントが死んでバットマンが罪を被ってから8年後の話です。
観る前は「ダークナイトの続編」と捉えていましたが、予想以上に「ビギンズの続編」でした。ストーリーも作品の方向性も。(シビアなリアル路線から少しヒーロー路線に揺り戻した感じです。それでもアメコミ作品としては十分リアル志向ですが)
衝撃度ではダークナイトに及ばないですが(そもそもダークナイトが異色作過ぎなんですけどね)、重厚な出来で楽しめました。2時間45分はちょっと長かったですが。
ネタバレ無しでは語れないので、以下はネタバレ箇条書きで。「続きを読む」で。
・先に書きましたが、衝撃的だったダークナイトに対して、こちらはやや予定調和ではありました。仕方ないですけどね。
・今回の悪役はベインと、とある人物でしたが、悪役としての主体性が薄くて魅力をあまり感じられなかったのは惜しかったです。悪役としての動機がビギンズからの借り物でしか無いのが問題ですかね。
・ジョーカーは名前も出なかったですね。ヒース・レジャーが亡くなられているので仕方ないし、出ると他の悪役を食ってしまうんでしょうけど、「今回の状況でジョーカーはどうしていたのだろう」とは気になります。
・ダークナイトであったように「市民」が試されるシチュエーションがありますが、今回はバットマンが守るに足る「市民の善性」があまり描かれなかったのは残念だったかと。
・それにしてもブルース・ウェイン女運悪すぎ。
・隠居していたブルース・ウェインがなかなか物悲しいです。軟骨がすり減ってるってのは、これまでの無茶が過ぎたんですかね。
・動かない膝をメカで無理やり動かすあたりが恐ろしい。と言うか相当痛いのでは;
・人工軟骨手術なんてものもあるようですが、どうなんだろう。
・あくまで戦いを止めないブルースとアルフレッドの離別が哀しかったです。自分がいなくなればブルースも立ち止まってくれると期待したのだろうけど、ブルースは1人でも戦っちゃう人なんですよねえ;
・しかしラストのアレが幻じゃないならアルフレッドの希望も叶ったんでしょうか。
・自動操縦云々とは言ってたけど、よくまああの状況で;
・泥棒猫はキャットウーマンだったわけですね。その名で呼ばれてはいないけど。
・あの変態バイク(バットポッド)をいきなり乗りこなすキャットウーマンすげえ。
・アクションは、生身での戦闘は正直地味なのですが、メカアクションは相当な見応えでした。特にバットポッドのアクションがダークナイト時と比べても凄いです。何あのタイヤの軸回転(^^;
・かつてバットマンが使っていたバットモービルが敵に使われるシチュエーションは燃えました。バットモービルも燃えてたけど(おぃ)
・ゴードン本部長は今回も大活躍でした。大怪我しておいて病院に乗り込んできた悪党を返り討ちとか、クライマックスでもトラックの運転手(黒幕)は死んでるのにあの衝撃の中で生きてるとか、ゴードンさんブルースより頑丈なんじゃなかろうか。
・ゴードンさんがバットマンの正体に気づいていなかった様子なのが意外でした。てっきりうっすら想像は付いているものかと。最後の別れのシーンは名シーンですけどね。
・警官(刑事)として美味しい役どころだったブレイクですが、本名はやっぱりロビンかよ!
・しかし、この先ロビンとして戦おうとしても、もう装備のための資金も無いのね。どうするんだろ。
・バットマンとしてはこれでもう終わりですかね。続編を作ろうとすれば出来なくはない終わり方だけど、ブルースとしてはあのまま引退…もとい消息不明で終わるのが良いのかなと。
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コメント
予想以上に「ビギンズの続編」でした
まさにそんな感じでしたね
ベインはやってる事はジョカーより桁違いに大きいのですが
イマイチインパクトがありませんでした
ジョカーの場合はビギンズのラーズアルグールや今回のベインのような生い立ちや動機が一切不明な所が逆にキャラクターの深みにつながっていた感じがします
あとベインは証券取引所を乗っ取ったならブールスの破産じゃなくてもっとすごいことできただろ(笑)
投稿: | 2012年8月 2日 (木) 20時32分
ペインは確かにやってることはこれまでで最大級にでかいのですが、キャラクターの魅力が足りなかったですね。
そもそも動機が他人の意思であるあたりが今一だったのかと。
ジョーカーは、身体能力や装備が特に凄いわけでも無いのに本当に強烈でした。やっぱりキャラクターの強さが大事ですねえ。
投稿: でんでん | 2012年8月 2日 (木) 20時54分