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2012年7月24日 (火)

おおかみこどもの雨と雪(映画)

(細田守監督)

「おおかみこどもの雨と雪」観てきました。

前作の「サマーウォーズ」も前々作「時をかける少女」とは大分印象の違う作品でしたが、今回はそれ以上に前2作とは違った印象の作品でした。
それぞれSF風味を加えて、一夏の短い数日間を切り取って青春の切なさや複雑な群像劇を描いた前2作に対して、今回は主な登場人物を親子3人(+1人)に絞り、長い年月(12年程度?)に渡ってじっくり家族の生活や成長を追いかけるという、地道で骨太な作品になっていました。
エンターテインメント度では前2作より低いかも知れませんが、見応えがある良い作品だったかと思います。

親世代に直撃な作りかと思えますので、前2作よりも対象年齢層は上な作品かも知れません。
自分としても子供はいないですが、子供達よりも母親の“花”に感情移入して観てしまいました。ですので最後はかなり切なかったです。
あまりネタバレは言いませんが、母は強いなあ…。
あれだけ子供達の為に頑張ってきたのに「何もしてあげてない」と言ってしまう思いが泣かせます…。

おおかみ男と人間の女性の恋から始まる話ですが、現代日本でお伽話をやるのも大変だと思える話でした。
実際的にリアルなのかどうかは何とも言えませんが、結構シビアでファンタジー展開が入り込む余地は少なめに思えました。
いや、ファンタジーではあるのですが現実の“重みや痛み”を結構意識させられる作品だったのかなと。

よくあるエンターテインメント作品では“問題”に対してカタルシスある解決や、事情を理解してくれる仲間の協力が見られたりするかと思いますが、本作では淡々と結末に至るんですね。
おじいさんだとか、もっと家族の事情に絡んでくるかと思いましたが、距離感を保ったままだったのがかえって印象に残りました。

逞しい姉とおとなしい弟の関係が最後に逆転していたのもまた印象的だったかと。

姉(雪)のクラスメイトの草平は、小学生とは思えない実に出来たいい男でした。
彼があの後どうなったか気になるところです。
彼の母親が本当に息子をいらないと言ったのかどうかも気になります。「描かれてない事情」が結構多いんですよね、この作品。余韻があるとも言えますが。

それにしてもあのボロボロの家をほぼ1人で修繕した花が本当に凄い。

公式サイト

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