やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 6.50巻 感想
アニメBD3巻の特典小説で、文化祭の後の体育祭の話です。(作中時期は10月頃)
BD1巻の特典だった6.25巻の続きですが、150ページの結構なボリュームで内容も思いっきり本筋に踏み込んだ本編で特典の枠を超えちゃっていますよ。むしろ先日出た短編集7.5巻よりよっぽど本編しているまであります。
シリアス展開ですが読み応えがあって非常に面白かったかと。
ところでどうでもいいことですが、7.5巻は小数点第1位なのに、6.50巻は小数点第2位表記なんですね。前後に6.25巻、6.75巻があるから合わせてるわけですか。
以下ネタバレありで。
内容については先にも書いたように、コメディ寄りだった6.25巻に対して今巻はかなりシリアス寄りな展開でした。前中後編の真ん中だけあって問題点がどんどん積み上がっていっちゃってます(^^;
体育祭運営委員会が文化祭の文実並に不穏な状態になってしまっていて、とても“本作らしい”展開かなと。
7巻冒頭では「体育祭も大過なく過ぎ」なんて書いてあったはずなんですが、全然そんなことは無かったぜ!(苦笑)
元々はアニメ13話のサイドストーリーのはずだったのですが、既に完全に別物になっている気がします。今の状態からあのおちゃらけた体育祭に繋がるとはどうにも思えないですよ。体育祭の結末がアニメとは全然違った結果になっても驚きません(^^;
まあ、アニメ13話では相模の影も形も見えないし、実行委員の人数も少なかったし、別の話として捉えてしまってもいいんじゃないかなとは思います。多分。
こんな不穏な空気になっている原因としては相模の存在が大きいわけですが(←それだけでも無さそうだし、ちょっと可哀想な面もあるけど)、相模が相変わらずで困ります。
八幡に馬鹿にされたと思って奮起して、一応ちゃんと働いているあたりは以前よりは進歩していますが、それでもクラスで八幡の悪口を垂れ流しているようでは駄目駄目ですなあ。
そもそも雪乃が相模を委員長に据えたのは「相模を満足させて、悪い噂を流されている八幡を救済するため」だったはずなのですが、現状では余計に八幡の立場が悪化しているのが皮肉です。
その辺りも6.75巻ラストで解消してくれればいいんですけどね。
7巻での状態を考えれば八幡の立場も現状より少しはマシにはなるはずですが、しかしアニメ13話みたいに八幡が「包帯作戦で失格」をそのままやっちゃったら更に立場が悪化しそうですよ。アニメはコメディタッチだったから大して問題にはならなかったですが。
葉山との会話での「一度こじれたら、もう元には戻らない」の言葉が重いですよ。これは実行委員やクラスの話でしたが、「奉仕部の未来」にも繋がるキーワードになりそうです。
そして「奉仕部の未来」と言えば、小町と八幡の勉強のシーンで書かれた「奉仕部がいつか終わる」と言う話もまた、この先の展開を暗示していそうかと。
奉仕部が終わると言うのは、それがどういう形でかは分かりませんが、実際そうなんでしょうねえ。3人が卒業すれば部としては終わりでしょうし、或いはそれ以前に「人間関係の変化」で分解してしまうかも知れないし。
八幡の自覚的には、3人の人間関係が変わればいつ終わってもおかしくないと思っているようで、自分から見れば「穏便な終わり方」だって十分あるだろうにと思うのですが、どうしても悲観的に考えているあたりが八幡らしいです。
このあたりは7巻のラストとも、「戻りたいと、いつかそう思う場所」のキーワードが出た7.5巻のラストとも繋がりますし、8巻以降でかなりの確率で絡んできそうな問題かと思えます。
まあ、奉仕部の崩壊展開があっても、それはあくまで“過程”で、“結末”としてのバッドエンドでは無いだろうと思いますけどね。最後は(多少ビターでも)ハッピーエンドであって欲しいものです。
八幡が危惧する奉仕部の人間関係の変化と言えば、やはり恋愛問題でしょうか。
かと言っても、修学旅行前で「雪乃の恋心」は自覚してないだろうし(と言うか7巻ラスト時点で雪乃自身がそれを自覚しているかも不明確)、三角関係を恐れているわけでは、まだ無いんじゃないかと思いますがどうなのやら。
体育祭時点の現在では、「結衣とこれ以上近づいていいのかどうか」で悩んでいるんじゃないかとも思えます。
仮に結衣と付き合うことになった場合に「いつか失望される」とか「カースト問題で結衣の立場を悪くする」とかで「上手くいく」事を想像出来ずに恐れてるのかなと。
恋愛関係で失敗すれば、今の居心地のいい元の関係には戻れず、結衣とギクシャクすれば雪乃との関係も崩壊すると考えているのかなと。
まあ、カースト問題は分かりませんが、八幡の駄目な部分を半年以上身近で見続けてきた結衣が、今更ちょっとやそっとで八幡を嫌いになるとは思えないんですけどね。
「失望」については、7巻ラストで(無理して泣かずに)笑ってみせた結衣の状態が「失望」と言えるかどうかは何とも言えません。むしろアレは悲しみの方かなと。(雪乃の怒りは「失望」だとも思うのですが)
とりあえずは、「8巻ーッ! はやく来てくれーッ!!」とだけ言っておきます。
小町は、総武高で奉仕部に入りたいんですかね。
正直、小町は奉仕部に入る必要は無い気もするんですけどね。他に新入部員が入るとも思えないし、「奉仕部の終わり」が穏便な形だったとしても1年後には小町1人になりかねないですよ。(…大志とか入る可能性はある…のか?)
もともと奉仕部は雪乃や八幡みたいなぼっちのための更生場所だったわけだしなあ。(結衣はイレギュラー)
小町の考えが「3人を応援したい」スタンスだったとしても、戸塚みたいに1歩離れた立場でいいんじゃないかという気もします。
まあ、本編が12巻(?)、作中3月~4月頃で終わったとして、その後で小町主役の番外シリーズや短編をやるなら(←八幡達の後日談も兼ねて)、それはそれで読みたい気はしますが。
「結衣の男子人気」の実態がついに八幡の眼前で描かれたのは良いニヤニヤでした。五寸釘だとか思いっきりヤキモチを焼いている八幡がイイね!
ナンパ野郎に連絡先を教えない結衣が、八幡に対しては結衣の方から教えてきたあたりの意味を正面から考えてドツボに嵌ればいいと思いますよ。既に嵌ってますが(笑)
そもそも結衣を手伝いに行く際に、いつものごとくあーだこーだ理由をくっつけようとした挙句の結論が「まぁ、なんでもいいか」な辺りがすっかり落ちていますよ。
結構身持ちが堅い結衣のナンパの躱し方もなかなか見事でした。と言うか、三浦バリアー強っ!(笑)
「なんか、青春っぽい」「いつでも出来る」「いつも次があるだなんて思わない方がいい」の辺りはこれまた奉仕部終了フラグを引っ張ってますね。八幡のネガティブさはどんな時もブレないなあ(^^;
結衣の手伝いのシーンでは、八幡が生徒会役員からは嫌われて無さそうだったのが少しホッとしました。
文実の頃から“生徒会と雪乃以外では”一番働いてたのが八幡だし、普通に考えれば生徒会からの印象が悪いわけは無いんですよね。文実でのスローガン決めも事情が分かっていればむしろ「よくぞ言ってくれた」となるだろうし。
まあそんな彼らも八幡の噂を止めてくれるほどの頼りにはならないのですが。
雪乃の「それなりに優秀な人は他にもいるわ」は、普通に八幡のことですね。信頼度が高くてニヤけます。
ただ、それが高くなりすぎた結果が7巻ラストの怒り(失望?)なのかと思うと複雑な気持ちでもあるのですが。
雪乃が文実に続いて今回も円満に委員会を進められていない件については、勿論相模等のマイナス要因もあるものの、雪乃自身が「個人としては優秀だけど組織のリーダーに向いているとは言いがたい」事をあるのかなと思えます。当人も自嘲してるけど。
文実の時には、奉仕部不和による精神状態の不調に加えて、相模や陽乃に振り回されたのも大きかったですが、今回は「相模」以外は万全な状態で、結衣もいたのにコレだからなあ。しかし、結果良ければ全て良しなので6.75巻で何とかなってくれれば良いかなと。
まあ、雪乃や相模だけが原因じゃないですけどね。そもそもこの学校の生徒は無責任サボりたがりがちょっと多すぎる気もします。(サボりたがり筆頭の八幡が一生懸命働かされてるのに!)
問題解決のために、6.75巻でまた八幡が自爆をやらかさなければいいんですけど、本当に。
7巻では本人もそのやり方を悔やむ事になるのだし、その手の方法はなるべく避けて欲しいところです。
八幡が下駄箱にゴミを入れられるあたりはちょっとへコミました。
犯人は、普通なら相模派女子なんでしょうが、もしかして結衣派男子の可能性もありそうでしょうか。ナンパ運動部を交えた結衣との作業シーンの直後なわけだし、八幡に嫉妬した男子がいる可能性はありそうですよ。
しかし、犯人がナンパ運動部とかならまだいいですが、実は「ナンパ運動部達が去った後で、イチャイチャする八幡と結衣を見て嫉妬した生徒会役員が犯人」とかだったら物凄く嫌だなあ。生徒会の人は善人であって欲しい。
「戸部を信じてい」ゴミを突っ込む八幡式解決法はちょっとヒドいと思いました(^^;
葉山はあのゴミに対してどこまで察したんですかね。単に昔のこと(雪乃が昔靴を隠されたこと)を思い出しただけと言う可能性もありますが。
仮に葉山が「八幡が戸部の下駄箱に移した」と気付いたのだとしても、まあそれで八幡と葉山(と戸部)の関係が悪化するとかは無さそうかなと思います。7巻での描写的に。
それにしても、ラストの三浦は凄く「ぱねぇ」と思いました。短い出番で大した存在感ですよ。6.75巻や8巻でも三浦の動きには期待します。
小町の出番が予想以上に多かったのは嬉しかったですが、それなりに出番があるだろうと思っていためぐり先輩のターンが全然無かったのは残念でした。今回業務面での出番しか無かったですからねー。
6.75巻に期待します。また結衣や雪乃を嫉妬させてやってほしいところ。(アニメ通りなら期待出来るんですけどね)
結衣と八幡の「した」「きも」メールはいい感じのニヤニヤだったかと。
あとがき、もとい「なかがき」によると「予想外な結末が待ってる…かも?」らしいですが、アニメとは全然違うオチになっちゃう可能性も本当に有りそうですよ。
今回の表紙はBDのカバー通りに小町だったわけですが、BD2巻でカバーだった結衣の表紙が無いままであろうことは残念です。
6.75巻の付くBD5巻のカバーが誰かはまだ分かりませんが、順当に考えれば戸塚ですかね。
八幡カバー…はあるとしてもBD7巻だろうし、他の可能性としては陽乃、三浦、川崎、海老名というところでしょうか。(戸塚に比べて可能性は低そうですが)
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