■やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 11巻
遂に11巻まで来ました。
あとがきで書かれているようにストーリーも奉仕部3人の関係もいよいよ佳境に入りましたが、やっぱり12巻で完結するんですかね。
あとがきで「次巻で完結」と書いていないのが気になりますが、間に番外編とかが入る可能性もあるから…とか?(^^;
どのみち、これから12月まではBD特典小説が続きますし、それが終わるまでは本編は出そうにないですけどね(^^;;
この11巻を読む直前にアニメ12話を先に見てしまっていましたが、そのアニメ12話で「本編319ページの内224ページまで」=「約7割」を消化していたのには驚きました。
アニメ最終回は残りの95ページ(約3割)の部分をじっくりやってエンドということでしょうか。
さて、11巻の話はまだ十分に咀嚼出来ていなかったりもしますが、とりあえず一読した時点での感想を書いていきます。
◆
アニメ12話でやった部分については感想が被るので、ざっくりとだけ触れます。
なお、12話感想はこちら→ 続アニメ12話感想
・アニメに比べて、八幡が「違和感」を抱いていく仮定の描写が印象的でした。「楽しいなぁ」は読みながらも何とも不穏感を感じましたよ。
・P79で、「信頼に似たもとひどい何か」のことを八幡が引き摺っていたことが分かったのは「やっぱりな」と思えました。10.5巻では全然気にして無さそうでしたから、忘れてるんじゃないかとちょっと不安でしたよ(^^;
・序盤から中盤の「今が一番」とか「こうして三人でまったりしてるの~すっごい好きだし」とかは、最後の展開を思うと何とも言えない切ない気分になりますね。
・冒頭、結衣にシーデートの誘いをかけようとするところのモノローグが気になっていましたが、10巻で雪乃に進路を聞いた時のように、こちらもやはり八幡が自覚的に「踏み込もう」としていたのがよく分かりました。それは八幡の明確な成長なのでしょうけど、せっかくの長く引っ張った上でのデートの誘いなのに、既に単純にそれが叶わない状況になってしまっているのが切ないですよ。
・結衣の「ヒッキーちゃんと貰えるもん。……ね?」のところもモノローグがどうなっているか気になっていましたが、こっちはギャグで流していて、ちょっと残念だよ!
・いろはの「年下の女の子は、……嫌い、ですか?」に対しての「いくつかの理由で今の俺にはあまり効果が上がらない」の「いくつかの理由」が気になりますな。ラブコメ的に。
・「お世話焼かれるの結構好きなのかも」ないろはを羨ましがる結衣に対して、八幡の「そのままのほうが良いのではないでしょうかというかですね」がイイね!
・生徒会は副部長と書記ちゃん以外にも男女関係でややこしい状況があるようで、男女が集まったグループではどこにでもある話なんですねえ。ホント、どこにでも。(奉仕部を見ながら)
・葉山の言う「みんな自然に振る舞える」の「みんな」は、やっぱり奉仕部も含まれてるんですねえ。
・玉縄を評しての「そのろくろを高速回転させる黄金の左腕」に笑いました。原作ではそんなにろくろを回してる印象は無かったので、アニメの表現の逆輸入か?、とか思ったのですが、9巻を見返すと「まるでろくろでも回すかのようなややオーバーな手振り」って書いてましたね。
・玉縄は原作でもやっぱり折本に気がある様子で、まあがんばれ(笑)
・ざいもくざ、もとい材木座はやっぱりイベントに来てたんですね。アニメじゃいなかったけど(笑)
・けーちゃんは9巻の書かれてないところで結衣や雪乃とも面識があったんですね。ホッコリしました。
・いろはが三浦を評しての「あの人性格も悪くないですし!」がホッコリしました。ディスティニィーでもオカンっぷりを発揮してましたしね>あーしさん
・いろはの「結衣先輩らしい」は、やっぱり後々まで引っ張ってますね。終盤の結衣の「あたし、ヒッキーが思ってるほど優しくないんだけどな」が切ないです。
・冒頭や中盤で、最初の結衣のクッキーの依頼を思い出すシーンが重なっていたのが印象的でしたが、やはりこれも最後に繋がっていたわけですね。ラストを前に最初の依頼に立ち返るというのは原点回帰ですね。結衣の作ったチョコもチョコクッキーですし。
・ボスキャラっぽい陽乃ですが、平塚先生の前では印象の違う面も見せるようで、先生の「もし君に、……本当に積もる話があるなら、いつでも付き合ってやる」が印象的でした。雪乃を空っぽ扱いする陽乃ですが、陽乃本人も結局やっぱり問題を抱えてるんですかね。(まあ、あの人としての壊れっぷりは問題があっても当然ですが)
・平塚先生の「三月までもうあまり時間がないし、今のうちに片付けておきたいんだ」が、凄くフラグっぽいです。春からは別の学校に異動になって、奉仕部も互いの最後の依頼を果たして解散という線が本当にありそうですよ;
・バレンタインイベントの後で、「ご飯、食べてかない?」となったところは、アニメとは展開が違うのだろうかと思いました。そんなことは無かったですが。
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以下、アニメ12話より後の部分について書きます。まあ上でも少し触れちゃってますけど。
イベント終了後の95ページは、凄く濃密で、穏やかなシーンでも緊張感のある展開でした。
結衣が凄く頑張っていましたよ。全体的に、結衣のいじらしさ、雪乃の儚さが凄くよく出ていました。当初は雪乃が結衣を引っ張っていたはずなのに、すっかり立場が逆転しちゃっています。
雪乃の問題は、一言で言えば「自分が無い」ってことなんでしょうか。確たる自分を持っていなくて、寄る辺がなければ自分の居場所も見つけられなくて、憧れの対象の真似ばかりしてきたと。
序盤の「強い雪乃」の姿は陽乃の姿の後追いの模倣だったわけですかね。それが最近ではその対象が陽乃から八幡に移っていた、と。
5巻で八幡が評した「寄る辺がなくともその足で立ち続ける」は、見たままの姿では無かったわけですね。
子供が誰かのモノマネをしながら育っていくとか、誰か尊敬する人物の影響を受けるなんていうのは、そんな責めるほどのことでもない、それだけなら普通の事という気もしますけど。
別に育ての親に憧れてヒーローを目指しても、それ自体は別にいいじゃないですか。(誰の話だ)
雪乃のそれは、度が過ぎちゃってるのでしょうか。ともあれ、最後は雪乃自身が母や姉に立ち向かえるようにならないといけないんでしょうね。多分。
結衣が言う、雪乃の問題の「答え」は、正直どういうことなのかよく分かりません。
今回の結衣は、いつも以上に献身的で雪乃や八幡を大事に思っていることが伝わってきて、切なくて泣けました。
単に八幡が好きなだけならイベントの後日に雪乃に菓子をもらった時に「あたしのだけ?」「ヒッキーのは?」と聞く必要もないだろうになあ。
大事なデートの約束を「3人で」使ってしまうところも泣かせました。
「3人で見れて、良かった」や観覧車での「……もうすぐ、終わりだね」が切なすぎますよ。
なかなか自分からは一歩を踏み出せない八幡や雪乃に対して、「これからどうしよっか?」と、踏み込むことが出来るのが強い子ですよ。
結衣は八幡も雪乃のことも大事で、「全部欲しい」と言いながらも、失恋することも覚悟があるように思えますが、ここまで頑張ってきた結衣にはどうにか報われて欲しいです。
シーデートの約束も、これで形を変えて消化済み、ということにはならないで欲しいものですよ。
八幡の恋愛トラウマ克服を書くなら、「約束だから」との縛り無しで、結衣に誘われ助かられているばかりではなくて、「自分から」誘えるようにならないといけないわけで、期待したいんですけどね。
ところで、結衣は「身を引く」行動をするのでは、とも思っていたのですが、別に雪乃に譲る気満々というわけでも無いみたいですかね。フェアでありたいとは思っているようだけど。
結衣から八幡に「友達になってほしい」とか言い出すんじゃないかと思ってましたよ。
由比ヶ浜マの登場はいいサプライズでした。「ヒッキーくん」呼びがいいですね。
ただ、個人的には夏コミで「俺ガイル本」を出そうかと考えていたりして、以前書いた八結相合傘SSの漫画化なぞを考えていたのですが、本編で八幡が結衣ママと出会ってしまったので、どうしようかと困っています(^^;
まだ2ページほどネームを作ったところまででしたけど、本を作ることを諦めるか、オチを変えるかとか考えないといかんなあ;
■やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 a
続アニメのBD特典小説です。
タイトルの「a」は色々な含みがあるようですが、2巻目が「n」らしいし、普通に考えると7文字で「another」ですかね。
「原作小説の本編とは若干異なる流れで進む」なんて書いてありますし、本編とは展開が違うパラレルな話になるってことなんでしょうか。
以下、ネタバレ注意。
「本編とは若干異なる流れ」と言いつつ、今回の「a」時点では原作とあまり大きな齟齬は無かった気がします。
今回の話の時期は、9巻のクリスマスイベントおよび6.5巻のクリパの後で、10巻冒頭の正月の前の「年末」のタイミングで、
年末の街に繰り出した八幡が結衣と雪乃と出会って映画デートして、さらに折本と遭遇するという話でしたが、
本編との齟齬は、11巻P129で折本と奉仕部女子2人が会った時に「この三人、ちゃんと話す機会もなく、ただなんとなくお互いの存在を知っているだけ」と書いていたのに対して、
「a」では折本相手に女子2人が自己紹介してる辺りが、若干矛盾と言えなくも無い?、という程度でしたが、
次巻以降で本編の流れとは変わっていくってことなんですかね?
最後の折本の「どっちが好きなの?」が大変にストレートなラブコメ爆弾でしたけど、
明確な言葉を使わずに少々分かり難い青春禅問答展開をやっている原作本編よりも、ラブコメらしいラブコメをやっていこうとしている…、のでしょうか?
それだと、なんだかファンのSSみたいな展開だなあとも思ってしまいますけども。
本編で「サイゼ」を笑った折本達に対して、サイゼでも全く気にしない結衣だとか、折本と遭遇しての結衣雪乃の自己紹介だとか、とてもファンSS的な内容だなあと思いました。
ぶっちゃけ自分もそういうSS書きましたし(笑) → 以前に書いたSS「比企谷八幡の正月の買物」
ところで、P35で八幡が結衣に対して「こいつサイゼ知らんのと違うか」とかモノローグしてますけど、原作2巻ラストで職場見学後に結衣からサイゼに誘われたことを忘れてるんですかね。
もしやここも 「本編とは若干異なる流れ」 と言うことなのか?(苦笑)
P50での、雪乃が八幡を「ヒッキー」と呼ぶくだりは笑いました。凄いインパクトですよ。
折本が八幡をバイトに誘うあたりは、受けていたらここからWORKING!!展開が始まりそうだと思いました。3期が始まるのが楽しみですね。
それにしてもバイトをバックレてばかりとは、八幡はマジでヒドいですな。学校の仕事ではあれだけ働いてるのに他の場所ではそんなにクズなのか問いも作中で触れられていて、その理由は明確に語られませんでしたけど、
10.5巻での 「意地があんだよ、男の子にはな……」 ってことなんですかね。
だとすると、八幡は格好つけたい女子とか守るべき家族のためならちゃんと働くと。…そうだといいなあ。
P72での、結衣がバイトをするのに否定的な八幡の「知らないことが増えてしまうのが嫌」は、ラブコメ的には悪くないのかもですけど、ヘタしたら恋人の携帯をチェックする男になりそうでヤバイと思いました。
「a」冒頭での「日記」と「手記」が意味深でした。
「日記」の方は、続アニメ12話最後の次回予告で結衣が独白していた内容でしたけど、これってどういうことなんでしょう?
アニメ最終回が11巻本編ではなく「a」にリンクしてくる、…とも思い難いんですけど。
「本当は、嘘でもいいのに」な「日記」の方は内容的にもアニメでの予告的にも、結衣の日記だと思えますが、
もうひとつの「本当は、縋っているだけ」な「手記」が誰のものかと言えば、やっぱり依存体質が想定されてる雪乃でしょうか。
最後の「なかがき」の終わりが95ページ(約100ページ)で、アニメ1期の特典小説「6.●●巻」シリーズが約150ページだったのに比べれば約2/3のボリュームですが、
1期特典が2巻おきで計450ページ程度のものだったのに対して、今回2期では毎巻特典小説が付くということで、毎巻約100ページなら計700ページになるという。月刊わたりんが大変そうですよ(^^;
毎巻特典小説が付くのは嬉しいですけども、それって残り期間の間は本編12巻が出せないだろうとも思われるわけで、12巻はやっぱり来年かなと思えて、ちょっと遠い目になりそうです。
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