« 今週のアニメ特撮感想・金~土分(4/29~30分) | トップページ | 今週のアニメ特撮感想・日~月分(5/1~2分) »

2016年4月30日 (土)

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。r」感想

俺ガイル続BD特典7冊目。これで「another」シリーズ完結です。

以下、「続きを読む」でどうぞ。
最初からネタバレですので。

★ネタバレ注意。

俺ガイルr読みました。

予想通りと言うか八結で、良い“まちがっていないラブコメ”でした。
完全に引っ付いた…とまではいかず、その一歩手前というところですが、八幡は「正しい呼び方が見つかんなくてさ」とか言ってるものの、まあ両思いですね。

結衣スキーな私としては嬉しいのは嬉しいのですが、しかしやっぱり言いたくなるのは 「もうちょっと頑張ってくれ、八幡」 ということでした。
(本編11巻同様)結衣の予定を聞いたのは八幡が先だったものの、明確なデートの誘いも結衣からで、(八幡自身も独白してるけど)結衣に助けられ、引っ張られてばかりで、正直不甲斐ないなあと(^^;
踏み込みが足りなくて物足りないですねえ。

八幡らしいといえばらしいのですけど、最後には「自分から人に踏み込めるようになる八幡」が見たかったですよ。
まあ、(相手が誰かは別問題として)八幡が自分で動けるようになるかは本編に期待するしかないですかね。さすがに12巻でも助けられるばかりのエンドだったら呆れますし>八幡
特典でのエンドは「結衣→八幡」の気持ちの決着を描いた話でしたが、本編では「八幡自身の気持ち」をちゃんと見せて欲しいものであります。
多分、それこそが本編で書くべきことでしょうし。

とまあ、少々不満はあるものの、結衣が自分の想いを諦めずに届けられたのは良かったですよ。11巻ラストでこれまで育ててきた想いに蓋をせざるを得なかった結衣は本当に可哀想でしたから。
八幡と手を繋いで幸せそうにしている結衣は読んでいて本当に救われました。

ただまあ、ラブコメ物語としてはちょっと“順当過ぎて”波風が立たな過ぎて、物語としての充実度や面白さは本編には及ばなくて、“あくまで特典小説”だなあとは思いました。
内容もほぼ11巻のバレンタインイベントをなぞってましたしねえ(^^;
前巻の「e」時点では「ここで10巻をなぞる話は終わって、ここからは未知の領域」だなんて感想でも書いていたのですけど、今回も出来事自体は思いっきり「11巻ベース」でちょっと拍子抜けではありました。
(10.5巻のいろはす話もあったことになっているのは笑いました)

ただ、本編10~11巻の内容をなぞっているからこそ、要所要所での差異が際立っていたのは確かだったかと思います。
本編との主な違いとしては、
・雪乃が八幡への気持ちを顕在化させない。
・雪乃が抱える問題が表面化しておらず、雪乃が弱体化していない。
・雪乃が結衣の恋愛に協力的で、結衣が特に遠慮をしていない。(内心的なものや、結衣雪乃2人の間にいろいろな思いがありそうなのは書かれてますけど)
・八幡が恋愛的な意識をほぼ結衣ばかりに見せている。
・いろはが(明確な言葉ではないけど)結衣と八幡の恋愛関係に言及。
・三浦や戸部も結衣の気持ちに気付いていそう。折本も八幡を応援してる感じ。

という辺りで、特に雪乃の状態が大きく違うことが展開に大きな差を与えているわけですが、そこが違った主原因はと言うと、つまりは「正月に雪ノ下母と会わなかった」ことですね。
どれだけ負の影響力でかいんだよ>雪ノ下母、と思いました。
雪乃の問題が無いと、本当に割とストレートなラブコメになっちゃうんですねえ。

結衣をサポートする雪乃の姿も、9巻までの雪乃の延長線上で違和感も無かったですし、「9巻頃の時点で想像出来たまんまの終わり方」ではありました。
それもあって、正直「よく出来たSSみたいな話」だったかなとも思ったりして(^^;


以下は箇条書きで。

・八幡も雪乃も、結衣がいたからこそ今の関係があると自覚しているのは印象的でした。
結衣も他の2人に助けられたりしてますけど、それでも結衣が欠けていたら、奉仕部は数ヶ月も持たなかっただろうとは思います。

・「八幡と結衣が付き合ったら、結衣の立場がどうなるか」と言うのは、八幡が自分にブレーキをかける大きな理由の1つでしょうけど、今回の話を見ていると、「案外問題なさそう」ではありました。
葉山も「君は気にしすぎなんだよ」と言ってるし、結局最大の問題は八幡の自意識って事ですかね。

・由比ヶ浜マが出なかったのはちょっと残念です。

・anotherでは途中まではいろんな人達が八幡の恋愛問題に踏み込んだりしてきていた中で、戸塚と平塚先生が絡まないままだったので、この2人は最後にとっておいてるのかと思っていましたが、
最後まで特に絡みませんでしたね。この2人がバレンタインイベントでも出番が無いとは思いませんでしたよ。(材木座も)

・いろはは、雪乃を「雪乃先輩」と読んで懐いたり、八幡の恋愛関係に大きく踏み込んだりと、今回かなり美味しい役どころでした。
特に135ページ付近の「外堀」の会話のあたりはいいですねえ。「他にこういうこと言う人がいません」と言うのも実にごもっともで、いいポジションでしたよ。解ってるなあ、いろは。

・最初に(主に八幡への)不満点を述べたりもしましたが、結衣との一連のイチャイチャはニヤニヤ出来てホントに良かったです。
前巻ラストから序盤での怪我した八幡に肩を貸して歩くシーンや、シーデートでの手握りイチャイチャっぷりとか最高ですね。
これで、本編では(結衣と引っ付く、引っ付かないに関わらず)もうシーデートは書かれ無さそうでもありますけど;

・ラストを「こっちから行くの」や、花火や、「……まぁ、そのうちな」「うん、そのうちね」といった、2人のこれまでの積み重ねの再現で締めてくれたのは嬉しかったかと。


さて、本編12巻がどういう終わり方になるかは分かりませんが、年内くらいで出てくれるといいんですけどねえ。

(後で追記するかも知れないけど、ひとまず終わりです。明日はcomic1参加なので時間が無くて推敲もしてないので~)

【★そんなわけで、5/1にちょっと追記しました】
・ラストシーン、ホントに良かったですけど、「こっちから行くの」と言われたあとで、「もう抱きしめちゃえよ」と思ったのは……他の人には内緒ですよ?

・「……今度は、お礼じゃないよ」は、本編11巻の状況と対比すると泣けますよ。

・本編と違って奉仕部の関係を混ぜっ返さない陽乃の本編との差が大きかったですが、結局雪乃の状態がおかしなことになっていなければ陽乃も11巻の時ほど行き過ぎた事はしないのですね。
何を考えてるのか分からない陽乃ですが、何のかんの言っても妹の成長を願っているのは確かなのかなあ。

・雪乃の「私のレシピ」、結衣の「あたしのレシピ」はほろ苦くて印象深かったです。「私」の「一つだけ、嘘を混ぜよう」「きっとこれが正しいカタチ。」がほろ苦く甘くて切ないですよ。
双方とも1話の最初の依頼に立ち返る内容に触れていましたが、2人があの時どこまでの会話を交わしたのか、気になりますけども、明かされることは無いだろうし、詳しく明かさないのが花でしょうね。

・rの話で単発漫画を描いてみたくなりました。GW中に描ければいいのですけど。


特典1巻目「a」の感想はこちら

特典2巻目「n」の感想はこちら

特典3巻目「o」の感想はこちら

特典4巻目「t」の感想はこちら

特典5巻目「h」の感想はこちら

特典6巻目「e」の感想はこちら

|

« 今週のアニメ特撮感想・金~土分(4/29~30分) | トップページ | 今週のアニメ特撮感想・日~月分(5/1~2分) »

コメント

とりあえず結衣ちゃんおめでとう

特典では結衣⇒八幡でした
本編ではやっぱり反対になりそうですねぇ

投稿: ゆいゆい押し | 2016年4月30日 (土) 23時21分

感想お疲れ様です。私もほぼ同意見でした。
八幡からもうちょっと踏み込んで欲しかったですねぇ。

投稿: F-2A | 2016年5月 1日 (日) 02時16分


まぁ、八幡がデートで必死なのにはにやにやしましたねw
結衣の健気さにも泣けます

特典を結衣からのこっちから行く、で締めてるって事は
本編で八幡が「もう一歩くらい踏み込んでも良いのだろうか」と
決意したのは思った以上に深い意味がありそうですね

結衣⇒八幡からの八幡⇒結衣
構図が逆になるのは王道中の王道ですし楽しみです

投稿: | 2016年5月 1日 (日) 09時32分

>ゆいゆい押しさん
追いかける八幡になってくれるといいですねえ。

>F-2Aさん
ですよねえ。最後までヘタレ八幡でした(^^;

>匿名さん
ハニトーの時の会話ですね。あの時の八幡の「踏み込み」はそれまでの八幡のあり方を超えて明確に踏み出した一歩だったと思えますし、今から考えても大事なシーンでした。

投稿: でんでん | 2016年5月 1日 (日) 21時26分

内情色々あるんでしょうけど
雪乃はチョコ渡してるってことは友達認定って事ですよね
八幡からしたら念願適ったりの筈ですけど、あんま気にしてないような
特典は鈍感&ヘタレっぷりが増してて
なんというか…ラノベ主人公みたいでしたね

ガハマさんいっつも料理にMAXコーヒーぶちこんでたのではと
「あたしのレシピ」みてそっち方も気になりました

投稿: 通りすがり | 2016年5月 2日 (月) 21時37分

言われてみれば確かに「友達に渡すくらいはするわ」のセリフをわざわざ出した後で渡してますから、友達認定と言えそうですね。秘めた思いはあったとしても。
八幡はまあ、ホントヘタレですねえ。

「あたしのレシピ」は、比喩的な意味なら言ってるならいいけど、料理でホントに毎回隠し味を入れてるならやめようよと言わざるを得ません(^^;
ガハマさん、恐ろしい子!
11巻では作れたのにねえ;

投稿: でんでん | 2016年5月 2日 (月) 23時23分

昨晩読了いたしまして、こちらにもお邪魔させていただきました。
結衣が雪乃に協力を求めたんだと、わたしは思っています。二人の間で、いったいどんなやりとりがあったのか……一ファンとしてはとっても気になりますよ。でも、今回。はるのんと、葉山の気持ちがちょっとわかる描写があって、それが嬉しかったですね。原作にもまだかかれて箇所ですし、これで本編の予想も捗りそうです!
なにはともあれ、気持ちが伝えられて、結衣!本当によかったね!
八幡……このへたれ。もっとしっかりしなさいw

投稿: こもれび | 2016年5月 4日 (水) 13時53分

最初の依頼時には八幡の名前までは出してなかったでしょうけど、どうなんでしょうねえ。自分としては陽乃が帰った後の結衣の様子とかから恋愛についてあまり明確な話はしてなさそうな気もします。
少なくともバレンタインのクッキー作りの協力は雪乃が自分から動いたのであって欲しいかなと。
八幡はへたれですが、本編ではしっかりして欲しいものですねえ。

投稿: でんでん | 2016年5月 4日 (水) 18時21分

でんでん師匠の感想楽しみにしてました。
さて、anotherで八結エンドを迎えて、僕としては本編が八雪エンドになるのではと予想したのですが。
今年はゲーガイル続も出ますし、ルート分岐をこういう形でやってみたんじゃないかしらと。
ちなみに僕は八雪派限定ではありません。

投稿: KZ=SK | 2016年5月 6日 (金) 21時36分

ルートの概念が無い云々の作者の発言からして原作も結衣×八幡endなのでしょう

上にも同じ意見の人がいますけど
キャラの方向性が特典と原作では変わるのだと思います

八幡が結衣に対して不誠実なのもヘタレ過ぎるのも八幡が最後に頑張る前振りなのだと思いますねぇ
特典で結衣リードのままで終わったのは
個人的にはむしろ良かったですかね

投稿: 鑪 | 2016年5月 6日 (金) 22時32分

本編、どうなるんでしょうねえ。
個人的にはやっぱり「この程度の差異で好きな相手が変わったら八幡がクズになりすぎる」感がありますし(ゲームならまだいいですが)、雪乃の課題は「自立」だろうし、三度目の「友だちになってくれフラグ」もあったりするしで、雪乃恋愛エンドは割とハードルが高そうな気もしますが分かりませんね。

anotherで八幡がヘタレのままで終わったことは、自分的にも「本編への前振り」ではと期待していますが、これも分かりませんね。「恋愛トラウマの克服」も八幡の課題のはずなので頑張って欲しいところですが。

「ルートという概念がない模様」発言は、所詮はTwitterでの軽口だし、あまり重視しても仕方ない気はします。
発言時期も8巻が出た直後で、8巻の「ゲームのように一つだけ前のセーブデータに戻って選択肢を選び直せたとしたら、人生は変わるだろうか」にかけての発言な気がしますし。

投稿: でんでん | 2016年5月 7日 (土) 17時46分

はじめまして
感想を読ませていただき、ご指摘のとおり本編は八幡→結衣の形になるのかなと思いました。

ラストのシーンで「俺と彼女の物語は言葉にする物語」と言いながら
結局、その言葉は出てこず、「いつかきっとちゃんと言葉にするのだと思う。」にとどまりました。
ここらへん、本編で八幡が「言葉」にすることで、二人の「物語」が完結することを暗喩しているように思われました。
この期に及んでヘタレwな八幡を受け入れてくれる結衣に甘えて依存していることを「『本物』と呼べるか自信がない」
というのも、本編では、結衣の優しさに甘えず、自分から踏み込むという形で対比になりそうです。

しかし、ここまでおぜん立てされたシチュエーションでヘタれられる八幡逆にすごいw

投稿: JUDD | 2016年10月10日 (月) 03時35分

rは本当に八幡から踏み込まない(踏み込めない)ままで終わってしまったので、本編ではちゃんと一歩を踏み出せる八幡を見せて欲しいものですね。
本編で八幡の成長を書くために、あえてこちらは中途半端な形にしたのかなとも思います。たぶん、希望的には。

投稿: でんでん | 2016年10月10日 (月) 22時38分

anotherが結衣だから本編は雪下なんて
短絡的な考え方の出来る作品ではないですからね
原作も八幡のモノローグや作者の後書き見るに結衣エンドになりそうだ
実際ここから雪下と結ばれる展開など正直想像つかない。
諦めようとする結衣、
それに対して抗う八幡
吹っ切れた雪下ってもうそうとしか
そもそも後半なら唐突に出てきた雪下の恋心(依存心)って
順当すぎると盛り上がりに欠ける八結の恋の障害物として配置されたっぽいかな

投稿: 俺ガイル | 2016年10月20日 (木) 08時34分

どういうラストになるか、妄想は出来ても実際どうなるかは分かりませんが、それぞれの心情に納得のいく書き方になってくれることを願います。

投稿: でんでん | 2016年10月20日 (木) 20時23分

この記事へのコメントは終了しました。

« 今週のアニメ特撮感想・金~土分(4/29~30分) | トップページ | 今週のアニメ特撮感想・日~月分(5/1~2分) »