若おかみは小学生!(映画)
(高坂希太郎監督)
評判がいいので行ってきましたが、実に良い映画でした。劇場で観てよかったですよ。
原作・TVアニメシリーズを知らなかったので大丈夫だろうかとか少し思っていましたが、映画はTV版とは繋がりの無い独立した作品という事で問題なく楽しめました。(TV版もプライムで見れるようなので、時間がある時に見たいところ)
旅館の若おかみになった小学生・おっこの頑張りと成長を軽やかに楽しく描きつつ、かなり重いテーマに踏み込んでいて引き込まれました。
各エピソードが最後に向けて綺麗に繋がって収束していく感じも心地よくて、ホントによく出来た作品だったかと。
登場人物達も皆魅力的で良かったです。見ていて自然におっこを応援したくなるのがいいですね。
以下ネタバレ注意。
クライマックスの展開は、(一応)年少者向けと思われた作品で、親しい人の死と別れや赦しと言った重いテーマにそこまで踏み込むのかと少し驚かされました。
両親を喪ったおっこの傷はそこまででも各所で描かれていましたが、最後のお客様がそう来るとは思っていなかったですよ。
あの人にしても巻き込まれた被害者のようで責め難いところはありますが、当事者にしてみれば完全に加害者ですし割り切れるものじゃないですよね。
真月の旅館に移動ということになっても心苦しくても誰も責められない状況で、若おかみとしてお客様を受け入れたおっこの立派さには本当に泣けました。
そして最後の御神楽でのウリ坊とみよちゃんとの別れのシーンも素晴らしかったかと。“4人”で踊っているところは別れと成長を爽やかに描いていて素晴らしい名シーンでした。
登場人物は誰も皆魅力的でしたけど、特に“ピンふり”こと真月が格好良くて良いキャラでしたね。
一見わがままツンデレお嬢様に見えるのですけど、人に厳しく自分にも厳しい努力家で、容易にデレずに静かに相手を認める様が実に格好良かったですよ。
それでいて気遣いも出来て優しいところがいい子だなあと。旅館の大人の人達からも敬意を持って愛されてると思えるのがいいですね。
クライマックスのおっこの試練の状況でのハッとした真月の様子だとか、沐浴の場で姉の話をするところがまた良かったですねえ。沐浴のシーンは厳しい彼女がおっこを認めてくれたのだなと思えるのも嬉しかったです。
あの場で“姉の話”を聞いたおっこが軽々しく返事を返さないところも粋でした。
元は児童文学ということで一応年少者向けの作品ではありますが、子供でも大人でも高齢者でも、それぞれの立場で楽しめると思える良い作品でした。
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コメント
昔からではありますが、年少者向けって、普通に大人のが対象な気がするアニメってありますからね。
対象年齢は知らないですが、昔火垂るの墓を小学生低学年くらいの時に皆親子連れで見てた記憶がありますし。
投稿: | 2018年10月20日 (土) 13時57分
すぐに具体例は出ませんが、子供向けに見えて割と大人向けな作品はありますね。
子供は子供でそういう作品でも案外受け入れたりするので甘く見てはいけないんでしょうけど。
投稿: でんでん | 2018年10月20日 (土) 15時00分