2019年11月20日 (水)

■やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 14巻 感想

完結。
長い宿題がようやく終わった感じです。…本当に長かった。

最後まで面倒くさい人達のまちがった青春ラブコメを全うしたなあと思えるラストでした。八幡本っ当ーにめんどくさい。
と言うか、八幡自身の恋愛感情がここまで隠されまくってきていたので、あんな重いプロポーズ展開になるとは思ってなかったですよ。不器用な人達は極端に走るなあ。

正直結衣スキーとしては辛いですよ。結衣自身が望んだ結果でもありますが、しかし、決着を付けずになぁなぁで済ませるよりは良かったんですかね。
八幡は結局雪乃を選んだわけですが、anotherだとあの結末だし、今巻でも「世界でただ一人、この子にだけは嫌われたくないから」とか言ってるし、結局はタイミングの問題ですかね。

ガハママを交えてのフルーツタルト作りだとか、プロムでの制服ダンスだろか、ハニトー再びのところはときめきましたが、後から思い返すとやっぱり辛いなあ。
それはさておき、エプロンガハマさんのイラストは大変可愛かったですが、ガハママのイラストもあっても良かったんだぜ?

平塚先生は最後まで恩師で最後まで格好良かったです。
陽乃の言った共依存は、分かるけどそれだけでは無いだろうと納得し難い感はあったので、今回の平塚先生の言葉はしっくり来ました。

いろはと小町の初対面は楽しかったです。何のかんの言っても相性いいんじゃないですかねこの2人。この2人が組んだら八幡も余計に苦労させられそうです。(と言うかラストで実現してるし)

最後まで雪乃に名前を覚えられていない財津くん…、もとい材木座および遊戯部2人は泣かされました。
でもまあ、材木座については、人との繋がりを信じられない八幡が「卒業後も会うような気がする」と思ってるくらいだから友情は報われてるんじゃないですかね?
「みんなメガネ」な3人を巻き込んでのカラオケ打ち上げは、生態系が異なる生き物達の交流に胃が痛い感がありましたが、葉山がアニソンもこなせてくれて良かったですよ。てか、ニチアサも分かるのか葉山。
相模は最終巻まで下げられる扱いで残念でした。体育祭で多少和解の芽が無いこともないような気がしたけど気のせいだったぜ。(敵対が無くなっただけで十分か)

渡先生はお疲れ様でした。

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2018年11月23日 (金)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 13巻 感想

俺ガイル13巻を読みました。
結局12巻(2017年9月)からは1年以上待たされちゃったわけですが、いざ発売されてみると“今回も読んだらモヤモヤして重苦しい気分になるのだろうなあ”と思えて、読む覚悟を決めるのに少し時間がかかってしまいましたよ。
そんな気分で読み始めた本巻でしたが、意外にそこまで重苦しさは無くて、割と静かに落ち着いた内容で、初期のようなコミカルな部分もあってちょっと拍子抜けな部分もありました。
モヤモヤが無いわけではないですが、これまでに比べたら全然マシかなと。一応は落ち着いた気分で最終14巻を待てそうです。14巻は来年初頭予定とか見かけましたけど、今度はあまり待たされないといいですね…、本当に;

以下感想。一度読んだ時点での感想なので読み返したらまた感想が変わるところもあるかもですが。


12巻ラストを読んだ時点では、13巻での八幡の行動はもっとストレートなものになるのだろうか、とか思いましたが、最終章な13巻に至っても八幡はやっぱり八幡でした。
まさかここに至っても1冊まるまる遠回りで回り道で回りくどい行動を取るとは。正直こういう内容になるとは思っていませんでしたよ。八幡の対立方針を聞いたいろはや結衣が当惑して困惑するわけです。
結衣の「頭いいのに、ほんと頭悪い」が納得感しかありません。

本巻の感想をたったひとことにまとめるならば、「おまえら本っっっ当ーーーーーーーーーー に面倒くさい!」に付きますね。

八幡も雪乃も本っ当ーに面倒くせえ(^^; (結衣も面倒くさいのですけど、さすがにこの2人よりは全然マシです)
まさか残り一冊というところの13巻ラストに至っても八幡も雪乃も本音で話さないままとは思わなかったです。言葉で話しても伝わらないとか言うけど、そもそも言葉を尽くしてもいないでしょーが君ら(^^;
(嘘では無いだろうけど)責任だとか、理屈じゃなくてもっと本音ぶっちゃけろよお前ら、と思いますけど、それができる連中ならここまで面倒なことにはなってないですよねえ。
こういう面倒くさいところが魅力でもあるわけですけど、本っ当ーに困った人達です(^^;

結局今回1冊を使って、目下の問題だった「プロムの障害」は取り除けた(らしい)ものの、肝心の奉仕部3人の関係性やそれぞれの心情の問題については進んだのか進んでいないのか何とも言い難いところでした。
しかし、“分かりやすい障害”をクリアして、今度こそ、最後の14巻こそはその辺りが書かれるのでしょう、おそらく、きっと、多分そうなんじゃないかな…?(^^; 今回はクライマックス前の準備期間という感じでしたし。多分。
今巻にしても、いろはずに「あんなのほとんど告白だ」と言われたり、葉山にツッコまれて「男の意地」と嘯いたり、海老名さんに「私とは違うから」大丈夫と言われたりと、心情関係は色々進んでる感じはしてますしね。

平塚先生からのブラック缶とマッ缶だとか、雪乃といろはのホワイトボード議論とか、いろはすへのマッ缶とお汁粉とか、2人分のとんすいをどっちにするとか、“二者択一”が今回序盤から印象的に使われていて、八幡の戦略にも繋がりましたけど、
二択ということで当然のように“三角関係”の二択も頭に浮かんだのですけど、その方面には話は絡まなかったですね。
まあそういうラブコメ的な話も最終巻なのかなと。…最終巻ですら素直にラブコメしない気がしてなりませんが。まちがっているなあ…(^^;

雪乃とのマッ缶贈り合いはいい青春シーンでした。雪乃の「ありがとう」は奢られてお礼を言わなかった1巻を思い出すと感慨深いかなと。
それにしても、葉山からも缶コーヒーをもらったりと、今回缶コーヒーが(いつも以上に)目立ってましたな。
マッ缶雪乃のシーンは、本巻で数少ない3人勢揃いの場面で貴重なものがあったなと。最後はホントどうなっちゃうんでしょうねえ。


遊戯部の再登場は初期の軽いノリが再び見られて楽しかったですよ。てか、オタク達の間でイキイキしてるな八幡(笑)
アニメでカットされた遊戯部がここまで大きな扱いになるとはビックリでしたけども、今後アニメの続きを3期とか(もしくは劇場版とかOVAとか)でやることになったらどうするんでしょうね。遊戯部話をフォローする必要が出ちゃいますよ。

そして、遊戯部の相模が本当に相模の弟で吹きました。いやまあファンの間では冗談で言われたりはしていましたけど、本当の本当にそうだったとは(笑)
相模の評価が弟からも低すぎてちょっとかわいそうになりました。身内の恥とか言われてる相模も多少は変わったはず…だと思ったんだけどなあ(^^;

そして、遊戯部メガネーズ達による「パリピの女王」いろはすの評価も笑いましたが、「あのクズさもダメなところも、そのうちクセになって、逆に可愛く思えてくるぞ」との八幡のフォロー(?)もヒドくて爆笑でした。
とりあえず、遊戯部2人には来年いろはすにガンガンこき使われて欲しいところです。

前巻時点ではいろはすが“今年の”プロムにこだわる理由がよく分からなかったですが、平塚先生のことを出されると納得でした。伝わってたんですねえ平塚先生の愛( ノД`)
先輩達をちゃんと送り出したいとか、いろはす本当にいい奴ですよ。(クズでもダメでも)
初登場の時はこれほど重要キャラになるとはホント思わなかったなあ。

平塚先生は今回は全般的に先生らしくて格好良かったかと。しかし、これで離任じゃなかったら本当に笑いますね。
さすがに勘違いでしたオチは無いと思いますけど(^^; 十近く年上の嫁エンドも流石に無いと思いますけど(^^;; それはゲームだけでたくさんです(苦笑)

八幡VSははのん戦は緊張感がありました。ははのんが八幡の名前をこれまでちゃんと聞いていなかった(陽乃が遮ったりしてたっけ)ので、どこかで名乗りを重要な場面で使うかもとは少し思っていましたが、ここで来ましたか。
「大した胆力だこと」とか「やるわね」とか、ホント怖いっすねえ。
とりあえず、ははのんと八幡の対決はこれでケリが付いた…、とは思うので最終巻でははのん再登場があるかどうかは謎ですが、とりあえずお疲れさんでしたーという感じでした。

それはそれとして、最終巻でガハママさんには再登場して欲しいんですけどね。小町への手作りケーキとか保留のままですし。

玉縄パイセンが人間的にちょっと成長していた(?)のは新鮮な感動が無いことも無かったような気もしました。人は変わるんですねえ(一応)
あと、玉縄さんはとりあえず今後頑張ってくださいと思いました。(見込みは薄そうだけど)
折本と結衣の間の微妙な気まずさとかは、怖いものがあって良かったです。「べべべーべべーべべべー」とか、いいラブコメ要素ですね!(多分)
あと、心の中に折本を飼ってる八幡に吹きました。「それいける!」

海老名さんと戸部は、バレンタイン辺りの様子からして多少は可能性も出てきたのかと思ったらそういうわけでも無いようで。
戸部さんはとりあえず今後頑張ってくださいと思いました。(見込みは薄そうだけど)

戸塚については、協力は約束してくれたものの、今回は材木座&遊戯部が協力者として頑張ってくれたおかげで戸塚の出番はアレっきりになってしまいましたけど、
戸塚の 「いつものようによくわからないまま終わっちゃう(中略)嫌だから」「八幡のどうしたいの?」「ちゃんと八幡のこと理解したいから」 はかなり大事な部分だったかなと。
とにかくロジックに走りがちな八幡ですけど、結局は“気持ち”が大事だというのはこれまでも示されてきたし、協力をお願いする戸塚や川崎や材木座達に八幡が真摯に気持ちを語るところは大切な場面だったと思います。
そして最後の14巻も、結局は理屈じゃなくて“気持ち”が大事な結末になる、…んじゃないかと思うんですけどね。いったいどうなるやら。
ともあれ、ここの場面では結衣の「よかったね」がホッコリしました。


勝負の勝者が叶えられる「お願い」について、
仮に勝者が結衣だったのなら、やっぱり「ゆきのんのお願いを叶えてあげて」となったんでしょうね。それなら確かに「あたしと同じであたしと反対」かなあ。

「お願い」については、1巻から引っ張った「友達になって」が来るかとも思いましたけど、それは違ったようで。でも、最後に使いそうな気はしますけどね。

とりあえず奉仕部の勝負については、形としては決着が付いたことになるけど、
結衣のお願いを叶えてあげてと言われても、それで結衣が素直に受けるとも思いないし、一体どうなることやら、最後の最後まで読めませんよ。
「誰も望まない終わり」で本当に3人バラバラで誰も誰とも付き合ったりしないエンドも有り得そうな気もしてしまいます。

3人の関係については、3人ともえらく悲観的になっちゃってますけど、
葉山の言う「彼らはあれでよかったんだ。そうやって、少しずつ……」が案外正しかったんじゃないかと思いました。少しずつ成長して関係を進めていけばそれで良かったはずなんですよ。

「そんなの紛い物じゃない」と陽乃に言われても、結局大人になりきれない陽乃が“本物じゃないから”、気に食わないからと余計な横槍を入れて引っ掻き回したから余計に拗れてしまったわけで。
更に八幡が陽乃の言葉を重く受け止めすぎてしまうのがまた質が悪くて悪循環で負のスパイラルになってしまったのかなと。八幡も陽乃も似たところがあるがゆえに、八幡は余計に陽乃の言葉に真実味を感じてしまうのかなと思いました。
葉山も陽乃の影響力が大きすぎて陽乃に飲まれてしまうのは似たようなものだしなあ。

そういう意味で、価値観がまるっきり違う結衣と陽乃の対決、もとい対話は興味深いものがありました。
分析力・判断力は高くても見方がどうしても超現実的、悪意的、悲観的、厭世的(ペシミズム)な陽乃に対して、直感的で自分のストレートな感情を大事にする結衣はある意味天敵なんじゃないかなと。
今回、結衣は結局陽乃の言葉に打ち勝てたわけでも無いですけど、この2人の対話はこれで終わりというわけでは無いんじゃないかと思いますし(たぶん)、結衣には負けないで欲しいですよ。


「実行委員会での挨拶はやっはろーで統一します。」はヒドいいじめでした(笑)
「やっはろー いいよね」「いい…」

ゾンビランドチバネタは笑いましたがネタが早かったなあと。いったいいつまで執筆してたんですかね。まあこういうパロネタは大体書き上げた後で間際で差し込んでるのかも知れませんが。
「締め切りは破れないだけで、延ばせないわけではないのでは?」とか、勘弁して欲しいっすねー。


結衣スキーとしては、
結衣に声をかけようとして超ゆっくり近づく八幡にニマニマしました。葉山の生暖かい微笑が素敵(笑)

その後のサイゼでの「……ちゃんとしっかり食べてますけども。……それがなにか」も可愛かったですな。
ピザカッターを上手く扱えなかった結衣については、きみ調理器具の扱いは完璧じゃなかったのか?、とか思いましたけど、まあピザカッターは家庭じゃあまり使わないということでいいのか?
トマトが嫌いな八幡を「子供みたい」と微笑ましく見てる結衣でしたが、小町だったらもっと辛辣だよなあと。同じシチュエーションでも受け取り方は差があるものだと思いました。新鮮味の差もでかいでしょうが。

サイゼで天使の輪とか言って結衣をまともに直視できない八幡はニヤニヤですね。そして材木座が来て「詰めて」と結衣に隣に座られるシチュエーションがナイスでした。近さって素晴らしい。
まあ、その後八幡は材木座に(介護)プロポーズしちゃうんですけどね(笑)

「邪魔くさい可愛い鬱陶しい跳ぶな跳ねるなしつこい」が懐かしいフレーズと思いましたが、9巻では
「鬱陶しい可愛い邪魔くさい恥ずかしい」でした。微妙に順番とか違うのね(笑)
八幡のスマホを見ようとぴょんぴょんする結衣が可愛かったですが、この2人割と背の高さの差がありますからねえ。(今回の口絵だと、2巻の口絵より八幡が低くなってる気もしますな(笑))

メガネブもとい遊戯部での企画会議で、出店や花火やキャンプファイヤーを提案してるのは、まんまこれまでの思い出ですな。人のラブコメ風景を見せられる遊戯部達かわいそー(笑)

ネカフェで店員さんに生暖かく対応されるところはいいシーンでしたが、終わりを覚悟している感が切ないですねえ。

玉縄との打ち合わせの待ち合わせでの口の形だけでの「やっはろー」が気恥ずかしくていいですね!


ところで、最終章に入った12巻の表紙が雪乃で、13巻が結衣だったわけですが、最終14巻はどうなるのかが気になるところです。候補としては…

1.八幡単独表紙 (やってほしい)
2.雪乃・結衣2人表紙 (アニメのBDパッケからすると可能性高そう)
3.奉仕部3人表紙 (出来ればこれが一番やってほしい)
4.登場人物全員集合表紙 (可能性は低そう)

…ってところでしょうけど、個人的にはやっぱり「3」希望かなあ。
とりあえず、あまり待たされないといいですね、ホント…(^^;

俺ガイル12巻感想

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2017年9月24日 (日)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 12巻 感想

遂にというか、やっと出ました12巻。
11巻が出た2015年6月からまさか2年以上待たされることになるとは思いませんでしたし、少し前まで12巻で完結かと思っていたのでそうならなかったのも予想外でした。話を畳むために苦しんだんだろうなあとは思いますが(^^;
ネットでは13・14巻の2冊同時発売で完結予定なんて情報も上がってますけど、次はあまり待たされないといいんですけどね。本当に(^^;
あと、今回は発売日がえらく地域差が出ちゃってましたけど(自分は21日に入手)、それだけ進行がギリギリだったってことですかね。次は勘弁して欲しいです(^^;
おかげで有給を1日無駄にしてしまったですよ(ボソリ)

つい愚痴ってしまいましたが(いかんいかん)以下感想。ネタバレ注意です。
まだ1回読んだだけなので、再読すれば感想が変わるところもあるかもですが。


最終章ということで重い展開を覚悟していたものの、終盤近くまでは(最終章にしては話が全然進まないと思えるほどに)穏やかな雰囲気で進んでいましたが、
これまででも緩やかに進めて最後の最後にショッキングな展開を入れてきたのが俺ガイルでしたので(2巻、7巻、10巻とか、終盤ではないけど11巻もか)油断すまいと思っていたら、やっぱり最後の最後で来ちゃいましたよ。
八幡のスタンスの否定、いい関係に見えていた奉仕部3人の関係性の否定、結衣の涙と独白で、ラスト20ページほどでかなりダメージの大きい締め方でした。
でも、ハッピーエンドを望みつつも結局こういうヒリヒリしたところが俺ガイルらしくて面白いと思ってしまうのが読者の業と言うか、まったく度し難いですよ(;´Д`)

陽乃のクエスチョン「三人のこの関係性を何と呼ぶでしょーか?」は、すぐに「共依存」の言葉が浮かびましたが本当にそれがアンサーなんですね。
正直納得出来てしまうけど、(問題を含んでいるのは承知しつつも)いい関係性にも見えていたので、そこを否定されるのは結構ショッキングでした。まさに「問題を含んでいる」部分こそが大問題なんでしょうけど。
ではどういう関係になるのが正しいのか、は正直難しいですねえ。
と言うか、そもそも「理想的な関係・在り方」を実現出来ている人なんて世の中にどれくらいいるのやらと思ってしまいます(^^;
そこを追求してしまう潔癖さが(陽乃も含めて)若さだと思いますけど。

11巻では大きな問題を残しているのは雪乃だと見せておいて、実は八幡もまた大問題を残していたと言うのもショックでした。まあ八幡がそもそも問題だらけなのはデフォなんですけど、「頼られることを悦んでいた」と言ってしまうと確かに病的に聞こえてしまいますね。
でも、本作は「3人の物語」ですけど「主人公」はあくまで八幡だし、最後の最後は八幡自身の問題に帰結するのは当然なわけで、それをどうにかしないと話は終わらないですね。

八幡の問題については、これまでも「仕事だから」と何でもやってしまうあたりは問題だと葉山からも示唆されていましたけど、「お兄ちゃん気質」の方まで問題として取り上げられるとは思いませんでした。いろはに対してはともかく、雪乃に対してまで「妹扱い」があったと言うのはちょっとピンとこないところもありますけど。

2人だけでなく「結衣も雪乃に依存していた」というのがまたキツい話でした。正直こうなると何から何までが依存なのかと混乱してきますけども(^^;
11巻時点では、雪乃以外の2人はだいたいの課題を克服しているようにも思えたけど、全然そういうわけでも無かったんですねえ。

陽乃の言動は何を言っても「呪いの言葉」になるなあとは思ってきましたが、それは陽乃自身の諦めから来ていたわけですね。
これから奉仕部3人はどうなるべきなのか。(いろいろ諦めた)陽乃が言う通りに果たしてなってしまうんですかね。
陽乃の言う「無事独り立ちして、ちょっと大人になるんだよ」は正しい結末なんでしょうけど、しかし「機械仕掛けの神の言うとおりになりました。めでたしめでたし」で終わるのは物語としてどーなんだと思うので、予想をいい方に裏切って欲しいところです。無茶振りですけど(^^;
まあ、次が13・14巻というのならクライマックス前の13巻では更に八幡を叩き落としそうですけどね。

ただ、3人の関係の結末がどうなるにしても、(やっぱり平塚先生もいなくなるようだし)奉仕部自体は結局無くなっちゃいそうですね。むしろ奉仕部の場が足枷にすらなりそうですし。

ところで陽乃の「三人の関係性」の問に対して、八幡の「さ、三角関係、とか」は苦笑しました。実際はそれ以前の状態ですし。
まあ八幡も陽乃の望む答えを模索しての苦し紛れの回答で、本気で言ったわけじゃないでしょうけど。


結衣は3人の中で一番成長したキャラだと思いますけど、だからこそ状況が見え過ぎて動けなくなっていると思えて切ないですよ。
でも、結衣は「雪乃のこと」は正しく理解している(分かりすぎて動けなくなるほど)けど、八幡のことはどうなんだろうとは思いました。結衣は「諦めちゃってる」ようだけど、そのあたり結衣と八幡の認識は割とズレがある気はするんですよね。
「彼の気持ちを知るのが怖いから」とも言ってますし、他の人間に比べれば八幡への理解度は高いだろうけど、決定的な気持ちは分からないままなんだろうなあとは思いました。

中盤のInterludeで、結衣が八幡・雪乃の間に入り込めないところがあると感じていたのがはっきり書かれていたのが印象的でした。そうなのだろうとは分かっていましたけど。
でも、雪乃は雪乃で結衣と八幡に対して同じように感じている部分もあると思うんですけどね。

ラストのInterludeは切なかったですよ。「涙が止まってくれてよかった」で始まり「涙が止まらなければよかった」で終わるあたり、相反する思いがともに溢れているのがホント切ないかったですよ。

ラストや独白のあたりは切ないですが、それはそれとして結衣スキー的には八結ラブコメ要素多めで良かったです。読んでる最中も「きっと最後で不穏展開がある」と思いながらでしたけど(^^;
「頑張る姿がどうのって」に対しての「心底今もそう思っていることだが」とか、顔が近づいて心臓が跳ねたりとか、二の腕を触られて効果抜群だとか、初めて二人で教室を出たりとか、結衣がブランケットに赤くなった頬を埋めているのを見ていたりとか、「桃好きー」な笑みが可愛らしいとか、プロムのダンスでまたどくっと鼓動が跳ねたりとか、自然に「どっか寄ってくか」と言えてたりとか、マッ缶ツーショット写真を自然にもらってドック掛けてたりとか、自然に2人でスイーツを食べに行ってたりとか、手作りのプレゼントが「本当に心が揺れる」だとか…、ラブコメ的な感情を(モノローグでは)全然誤魔化さなくなってる八幡がポイント高いです。
「たくさんの言い訳を張り付けて、俺たちはひどく短い距離を同じ歩幅でゆっくり歩いた」が実によいニヤニヤポイントでした。その後の「あたしたちでいいのかな」の辺りは切ないですが。


気になっていた11巻ラストでの雪乃の依頼は「見届けてもらいたい」ということで、納得はいく内容でした。いくら弱っていても雪乃が「姉や母を何とかしてよハチえも~ん!」とか言うわけないですし。

11巻終盤ではかつてないほどに弱っていた雪乃でしたが、今回はかなり復調して頑張っていたのですけど、最後にまた母親が障害になるのが可哀想でした。
実家に戻った後も雪乃の状態は表面上はさほど変化が見えなかったので、母親との会話も何とかなったのだろうかと思ったらアレですよ。
それも母当人の意志と言うよりも(八幡の「仕事だから」のように)「役目だから、体裁だから」というスタンスでの立ち回りらしいあたりが何ともやりきれないですね。

このあたりを見ていると、雪乃母はやっぱり「キャラクターとしてのラスボス」と言うよりは、八幡のこれまでのスタンスにも通じるものとしての「概念的なラスボス」なのかと思いました。
やっぱり「高校生が他人の母親を直接論破してめでたしめでたし」みたいなトンデモエンドは有り得なさそうだと思えて、そういう意味では少し安心したかも知れません。

あと青春ラブコメ的には、今回雪乃が後半でほぼ別行動だったこともあって、その方面での雪乃の思いは「写真」以外あまり感じられなかったですが(うまく隠していた?)、今回の結衣の独白のように雪乃の独白も次巻辺りで見てみたいところです。anotherシリーズではそれがあったし、実際やりそうですけど。


いろはす先生の「女子を妹扱いダメ絶対」講座は結構ためになる話でした(笑)
いろはは結衣同様に成長キャラですねえ。初登場時とは最早別人ですよ。基本のノリはそんなに変わらないですけど。
生徒会長としても、超有能な雪乃と一緒に仕事することで危うく文化祭の再現になりそうなところを、自分が油断してやらかしてしまっていたと踏み留まって反省出来るあたりは実際優秀ですよ。

「いろはすはゆきのんに好かれてると思うよ……。それも相当だよ……。」はほのぼので言わぬが百合で捗りました。anotherシリーズのように今回でいろはが「雪乃先輩」呼びになったのもポイント高いですね!

いろはが今年プロムをやることに拘ったのは何故かと言うのは、正直よく分かりませんでしたが、(自分のためと言ってるけど)奉仕部のためとかだったりするんですかね。
いろはは「奉仕部3人と」仕事することを望んでたんでしょうか。そのためにそこまでするだろうかとも思えて、ちょっとしっくり来ないのですけど。

プロムに関しては、八幡同様に高校生がやる行事としては全然ピンとこないので何とも言えないなーと思いました。
でも、今回の話としてはプロムが「失敗してはいけないイベント」では無いことがポイントなんでしょうね。そして「奉仕部の仕事ですらない」ことで、より八幡を追い詰めて「八幡がなせ動くのか」の根本的な理由を炙り出しているのかなと。
動く理由が「いつか助けるって約束したから」の心残りだと言ってますが、その辺を次巻でより深く追求していくのだろうと思いました。(それはそれとして、あそこまで言われて助けに向かうラストの八幡の行動はやっぱり間違っている気はします)

…あと、9巻の雪乃の「いつか、私を助けてね」は、読んだ時は単純に恋愛要素だとかでポジティブに捉えていいセリフなのだろうかと少しだけ疑問に思いましたが、今巻での使い方を見てもやっぱりちょっとネガティブな扱いに感じてしまうかなと。
今巻での「1人でなんとかしたい」という雪乃のスタンスからすれば黒歴史的なセリフだったようにも思えました。でもまあ、人を助け・助けられることがダメなことだなんてのも潔癖すぎてどうなんだろうと思いますが。


冒頭のいきなりの「長い沈黙だった」は思わず「まったくだよ!」とツッコミそうになりました。
けーちゃんと会ったシーンでの「体感時間で二年ちょっとぶりくらい」も同様にツッコまざるを得ません。
ホント、次はここまで待たせないでいただきたい。

雪乃のマンションを出た後の陽乃との会話で、八幡の将来像に専業主婦だけでなく「スーパーな社畜」が入っているのに笑いました。これも一つの成長…といっていいんですかねえ(苦笑)

小町の無事合格はホント良かったですよ。落第する展開は無いだろうとは思っていたけど安心しました。大志もおめでとうですよ。
小町の三つ指ついての「お世話になりました」は嫁入りするみたいでぐっと来ますね。

小町&川崎さんの「いえーい」は笑いました。戸惑いながらもちゃんと「いえーい」してくれる川崎さんがかわいいじゃないですか。
合格発表でのブラコンを隠さない全力疾走も素敵ですな。

「ヒッキー頭皮かたっ、……ハゲるよ」の辺りは、たしか前にも雪乃に生え際を優しげな目で見られていたなあとか思いました。(何巻だったっけ)
ヤバイの八幡?(^^;

今回読みはじめたところで思ったのは「あ、まだ2月なんだ」ということでした。これまでは基本1冊につき1月単位の話でしたから。でも11巻の引きからして、あのラストの直後から始めるのが当然ですね。
ところで今巻ラスト時点でいつ頃なんですかね。小町の合格発表日時点で「関東でも梅の花が咲いた」「先日の強い風が春一番」とありますが、ぐぐると関東の梅の開花時期は「1末~2頭」、春一番だと「2中~3上」という感じのようで、…あまり参考にならないなあ(^^;
次の13巻も今巻ラストシーンの直後から始めそうだし、これまでのフォーマットに拘っていたらまとまらないのだろうなあと思いました。
14巻完結らしいですけど、(エピローグとかは別として)多分3月いっぱいまでの話で終わるのかなと。
ともあれ、今度こそはあまり長く待たせないで欲しいですよ、本当に(^^;;;

俺ガイル11巻感想

俺ガイルr感想

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2016年4月30日 (土)

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。r」感想

俺ガイル続BD特典7冊目。これで「another」シリーズ完結です。

以下、「続きを読む」でどうぞ。
最初からネタバレですので。

続きを読む "「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。r」感想"

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2015年12月30日 (水)

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。e」感想

俺ガイル続BD特典6冊目です。
以下ネタバレ注意。

10巻本編とは大分話も変わってきていたので葉山とのマラソン問答は無くなるかも…、とも思っていたのですが、きっちり入れてきましたね。会話の内容は全然違ってますが。

何というか、今回もとても「はやはち」でした。
ラストは「八幡と結衣」との関係性描写になったものの、途中までは完全に「八幡と葉山」の話でしたよ。
「彼女たちのことはまだわからない」とか言いつつ、「彼女たち」より葉山と話すことを優先するのは一種の逃げと言うか迂回という気がしないでもないですが、
まあ、葉山は八幡の対比役だし、八幡が自分の事を考えるなら「鏡」のように葉山の事も考えざるを得なくなるんでしょうね。


今回で「10巻」に当たる部分は最後までいったので(打ち上げはやってないけど)、特典最終巻は完全に未知の領域になりますが、最後は八幡の抱える恋愛トラウマ問題にもうちょっと踏み込んで終わりな感じでしょうか。
残り100ページ足らずで「決着」まで行くかはまだ懐疑的ですが。
普通の主人公なら今回の話の後は結衣と引っ付いてエンドとなりそうなものですが、恋愛に対して亀の歩み過ぎる八幡が残り100ページ足らずでそこまで行けるとはとても思えないですしねえ。

さて、ここまでは「年末から新学期にかけて」の話で、基本的には「10巻」の展開をなぞりながら話が進んできましたが、本編との差異を大雑把に以下にまとめると…

1.八幡が本編より早く自分の恋愛問題に向き合いつつある。(まだ向き合ったとまでは言えない)
2.雪ノ下母と会わなかったので雪乃の家庭問題が浮上せず、「保健室」が無かったので八幡と雪乃の関係性が大きくは変わっていない。
3.「噂」に結衣が加わったことで八幡の結衣への意識のウェイトが大きくなり、「保健室」が無かったので、結衣が三角関係をあまり意識していない。

…というところでしょうか。

主人公である八幡の恋愛トラウマに対する描写としては、9巻までの流れからするとこちらの方が9巻までの流れからよりストレートに繋がってる気もしますが、
雪乃の問題が消し飛んでいるあたりは、やっぱりあくまで「特典」だなあとは思います。

とまあ、特典で別ルートをやることに「なんだかなあ」な感情があるのは置いておいて、
とりあえず結衣スキーとしては、ラストのイチャイチャ治療や「優しくない女の子は、もう嫌いではないけれど」はよいニヤニヤではありました。
不器用な包帯でも「俺にお似合いの勲章だ」とか思っちゃうあたりはいいですね。
傷口を救急箱で攻撃するガハマさんがヒドくて素敵だ(笑)

特典1巻目「a」の感想はこちら

特典2巻目「n」の感想はこちら

特典3巻目「o」の感想はこちら

特典4巻目「t」の感想はこちら

特典5巻目「h」の感想はこちら

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2015年11月27日 (金)

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。h」感想

俺ガイル続BD特典5冊目です。

前巻で葉山の文理選択の件が話題に上がらず、葉山の「噂」が「雪乃、結衣との噂」になったおかげで10巻からは大分印象が変わってきました。
奉仕部への依頼内容が「葉山の進路問題」ではなく「葉山の恋愛スキャンダルの噂の沈静化」に変わったことで、八幡が抱える自分自身の恋愛問題により踏み込む内容になりそうなのかなと。
展開にしても、三浦が相談に来たり、持久走で戸部と話したりまでは、やっていること自体は10巻から大きく変わってはいなかったですが、その後に生徒会室で葉山を待って公園で話すあたりは大分変わってきたかと。

八幡の恋愛問題は、前巻まででも折本や小町や陽乃との会話で「そろそろ向き合わないといけない」事が示されてましたが、今回の葉山からの「目を逸らしているんだな」のツッコミで、いよいよ追い込まれてきた感じです。
勿論「目を逸らしている」のは、ラストの「俺と、お前だ。」で書かれている通り、八幡だけでなく葉山もなんですけどね。

いよいよ八幡も目を逸らすことを止めないといけないと強調されているし、「a」シリーズが始まった当初でも、このシリーズで八幡の恋愛問題の何らかの「決着」が書かれるのかと思っていたのですが、
ただ、話の進展がゆっくりすぎて、残り2冊で決着をつけるところまでいけるのだろうか、と懐疑的になってきてもいます。
ここから残り200ページ程度で八幡が自分の想いに向かい合って、結衣なり雪乃なりと付き合う事になる…、みたいな決定的な決着までは、どうも進まないんじゃないかと思えてきました。

このペースだと、せいぜい「恋愛に向き合うことを決意する」くらいまでしか進まないんじゃないかなあ(^^;
まあ、何度か書いてますが、「本編と特典とで八幡の好きな相手が変わる」みたいな展開になったら、この程度の分岐でそこまで変わっても納得がいかないわけで、特典はあまり劇的な展開で無くてもいいんですけどね。


恋愛問題恋愛問題と言ってますが、今回は八幡と結衣・雪乃との絡みがそんなに多くないので、八幡自身のラブコメ展開は少なめだった印象でした。
雪乃の姿勢を崇高に感じたりとか、戸部から聞いた「結衣の噂で男子がざわついてる」話でドス黒く不快感と嫉妬を感じたりはしてますけどね。

とりあえず、雪乃だけが問題に巻き込まれていた10巻に対して今回は結衣も巻き込まれていることで、八幡が結衣の事を考える描写が増えてはいるのは印象的でした。
その内容は主に「カースト上位で人付き合いの広い結衣が抱えるリスク」に関しての事なのですが。
相模が出た一連のシーンは、八幡的には「自分が結衣の想いに向き合ったら無責任な周囲から結衣がどう扱われるか」のシミュレーションを見せられているようなものだったかも、とも思えました。


「噂」に結衣も巻き込まれた形になったおかげで、奉仕部に来た三浦の態度が10巻に比べて攻撃性が低くなっていたのはホッとしました。
おかげで雪乃の態度も柔らかくなっていましたし、結衣と三浦、結衣と雪乃の友情が感じられるいいシーンになっていてほのぼの出来ましたよ。
八幡も泣く三浦に対して「お兄ちゃんスキル」を発揮したおかげで、この時点で「ヒキオ、ありがと」と言われてましたし、案外馬鹿に出来ないなあ、お兄ちゃんスキル。

相模が再登場したのはちょっとしたサプライズでした。7巻以降も名前はたまーに出てきてましたが、相模本人はもう本編では出ないんじゃないかと思っていましたので。
で、登場直後のあたりは読みながら「相模は相変わらずクズのままなのか?」と思いかけましたが、結衣の噂話で盛り上がろうとしなかった辺りは、相模も以前より多少は成長しているのかな、と。…まあ、分かりませんけどね。

それにしても戸部はいい奴ですな。いつの間にか俺ガイルの癒やしキャラポジションになってる気がしますよ。

いろはの「振り芸」は今回も健在でナイスでした。書記ちゃんは何度も同じ場をともにしてるはずなのに、八幡とは全然馴染んでないのだなあ。

葉山との自転車はやはちのシーンは、是非海老名さんに見せたかったと思いました(笑)
と言うか、八幡は自転車を押して歩き続ければよかっただけだろうに(^^;


「噂の沈静化」について、葉山は「なんとかする」と言ってますが、どうするつもりなんですかね。
まあ、10巻にしても葉山が公衆の面前でちょっと三浦やいろはと仲良くするだけで霧散する程度の噂なんですけどね。
簡単な解決法としては、上記の10巻と同じ手段でいいんでしょうね。
葉山・雪乃・結衣がそれぞれ他の相手がいると示してもいいのだろうけど、そんなことをすると余計ややこしいことになりそうですよ。


ところで、次のBD6巻は12月29日に延期だそうで。年末は帰省するので出発するまでに届いてくれるといいのだけど。

特典1巻目「a」の感想はこちら

特典2巻目「n」の感想はこちら

特典3巻目「o」の感想はこちら

特典4巻目「t」の感想はこちら

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2015年10月24日 (土)

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。t」感想

俺ガイル続BD特典4冊目です。1ヶ月遅れでようやく読めました(苦笑)

前巻ラストで結衣との買い物後に陽乃と遭遇したところからの続きですが、今回も10巻本編と大筋は変わらないながら、ちらほら、結構変わってきてますね。
前回同様に10巻との差異をまとめてみます。

(以下ネタバレ注意)

・陽乃からの電話に雪乃がなかなか出ない
雪乃が来ないことで分岐するのかと思ったけど、結局普通に来ましたね。

・陽乃との会話で『走れメロス』の言及カット
あれ超早いよね!
10巻と違って太宰を裏テーマにしてないってことでしょうね。

・雪ノ下母と会わない
これは大きな変更でした。特典巻では雪乃の家庭問題には突っ込まないと言うことでしょうね。残りページ数的にも特典巻は10巻プラスアルファな時期(1月)の話で終わりそうだし。

・八幡が陽乃と買い物する羽目に
ここで陽乃から三角関係に突っ込まれたことで展開にブーストをかけてるなと。
クリスマス後(保健室前)の時点で、結衣からはともかく「雪乃からの好意」「三角関係」を八幡がどれだけ自覚しているかは疑問な気もするけど、「a」で折本から「どっちが好きなの」と突っ込まれている分、本編より早く考えてたってことでしょうか。
あと、ここで葉山・雪乃・結衣が喫茶で3人で待つことになったことで後の展開に影響してるわけですね。
喫茶の後の別れのシーンは、雪ノ下母と会わなかったおかげで10巻より平和的になりましたが、結局雪乃が会食に行ったのかどうかはよく分からんですな。

・新学期の教室で文理選択の話が出ない
おかげで三浦もメールを送ってこない、と。これから先の話で葉山の進路の話には触れなくなるのでしょうか。マラソンはやりそうですけど。

・「葉山と雪乃の噂」→「葉山と雪乃と結衣の噂」に変更
10巻ではこの噂のおかげで八幡が雪乃の事を考えるウェイトが増えたわけですが、嫉妬の方向のバランス調整ですかね。
これくらいの微妙な変更で、本編と特典とで八幡の結論が変わったら、なんだかなあとも思うんですけど。
先にも書いた「喫茶で葉山・雪乃・結衣が残されたところを誰かに見られた」と言うことでしょうけど、3人でいるところを見られて「デート」だと思われたとしたらかなり謎です。
それにしても本作の無責任なモブのセリフの無責任なことよ。

とりあえず、八幡の「由比ヶ浜が誰かと付き合う姿は自分でもびっくりするくらい簡単に想像できた」とか、いろはの「結衣先輩はふっつーに超ありそうですけど」とか、見た目からの風評被害がヒドい(苦笑)
「そのことを考えるのはあまりいい気分はしない」とかは良いデレでしたけど。

・三浦メールが無い
先にも書いた通り。おかげで葉山への聞き込みも現時点では無し。

・メールが無いまま三浦が部室にやってきた 「……あのさ、あんたら、隼人となんかあんの?」
10巻の「あんた(雪乃)」が「あんたら(雪乃、結衣)」に変更。…「あんたら(雪乃、八幡)」では無いよね、さすがに。はやはちー
ともあれ、三浦のこのセリフの変更はかなりの違和感でした。雪乃に対して思うことがあるのは分かるけど、結衣に対しては「理解者」じゃなかったのかよ。
修学旅行付近以後の描写から、三浦は「結衣→八幡」の気持ちには勘付いてるものかと思ってたんですけどねえ。


…とまあ、こんな感じでした。
この先については、文理選択の話が出ていない以上、葉山への進路聞き込みは無さそうだし、結構展開は10巻から離れていくのではないか、とも思います。多分。恋愛感情問題に踏み込んでいくんですかね。

今回ラストが10巻本編では169ページ部分で、10巻ラストが341ページだから残りは173ページ分なのに対して、特典巻は残り3冊で、300ページ前後だとすると、10巻(1月)だけの展開をやるには分量が多いけど、11巻以降の話をやるには足りない感じでしょうか。
話のペース的にも「2月」までは行かずに「1月」の話で終わりそうですね。
残り300ページ程度で、3人の関係に本編とは違う決着が付くのかどうかは微妙な感じもするのですが、次巻以降の展開次第かなと。
しかし、特典巻の方が本編より先に完結してもそれはそれで微妙なので、出来れば同じタイミングで12巻が出てくれるといいんですけどねえ。
特典巻で「決着」を付けないなら別にいいのですけど。


なかがきで、遂に「鶴見先生の名前の謎」に触れられたのは「おおっ」と思いましたけど、結局ルミルミとの関係性は謎のままかよ!(^^;
やっぱり、たまたま苗字が被っちゃっただけだったんですかねえ。
12巻で、鶴見先生とルミルミの関係性が明かされて、大きく展開に影響する可能性も…、100%絶対に有り得ないとは言い切れないですけどね。(まず無い)

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特典2巻目「n」の感想はこちら

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2015年8月27日 (木)

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。o」感想

俺ガイル続BD特典3冊目です。
「a」「n」に続いて「o」と言うことで、いよいよ「another」で間違いなさそうですかね。Anotherなら死んでた…(おぃ)

これまでの2冊は「本編と異なる流れ」とは言っても、本編の流れと少し違うような違わないような…と言う位の微妙な差異だったわけですが(折本と結衣雪乃の対面くらい)、
今回は10巻と比べて明確に展開が変わってきました。

(以下ネタバレ注意)

まあ、展開が変わったとは言っても、正直まだ微妙な差なんですけどね。
初詣が深夜からの2年参りになって小町がいなかったり、買物も結衣と2人で行ったりしてますが、話の流れ自体は10巻序盤とほとんど変わっていませんでした。

とりあえず本編10巻との差異をまとめてみます。

・初詣が深夜待ち合わせの2年参りに変更。
・「あけましてやっはろー」に加えて「こんばんやっはろー」が追加。
・初詣には小町は不参加、三浦達とも合流せず。
・雪乃のおみくじが「吉」から「中吉」にランクアップ。(微妙過ぎる差異だけど何か意味あるのだろーか?)
・小町が不参加なのでおみくじの交換は無し。
・初詣の帰りは3人で電車に乗って雪乃のマンションまで結衣雪乃をお見送り。
・雪乃のプレゼントの買物は最初から小町不参加。ただし10巻でも小町はすぐにいなくなったので展開自体はほとんど変わらず。

…と言ったところで、ところどころ微妙に違うものの、文章も10巻そのままの部分もかなり多く、これまでの2冊に比べると新鮮味は少なかったです。

大きく話が分岐するとしたら、「買物で陽乃と出会わない」事で話が変わるんじゃないかと予想していたのですが、10巻と同じ流れで出会ってしまって、ここからどう話が変わっていくのかどうも読めません。
このままだと次も10巻をなぞる展開になりそうなんですが、さてどうなるのやら。


差異が少ないとは言え、今巻では結衣とのラブコメ度がかなり上がっていました。本編10巻からは三角関係にシフトしていっていたので、こういう感覚はちょっと懐かしさを感じてしまいましたよ。
特典の方でイチャイチャされると本編が不安になるんですけどね。

結衣との電話では八幡が相当結衣を意識していて満喫出来ました。2人揃ってなかなか電話を切れないとか、付き合いはじめのカップルそのまんまじゃないですかー。
「相手が由比ヶ浜だからこそ、失敗をするのは嫌なのだ。」はハニトーの時の「今度は間違えたくないのだ、たぶん、俺は。」を思い出しますね。

ところで八幡は未だにカーストの事を気にしてるんですね。作中で出てくる人物でカーストを意識しているのなんて八幡と相模くらいなので、そんなものが存在していることすら忘れそうになるのですけど。
でもまあ、八幡の下駄箱にゴミを入れるようなゴミもいる学校だしなあ。

大晦日の待ち合わせで雪乃がいることを予想外とか言ってるのは、何言ってんだこいつ、と思いました。電話で結衣も「ゆきのんはだいじょぶだと思う!」と言ってるのに。
小町との会話で結衣に予防線を張ったことを後悔して、「他の連中のスケジュールあわなくても、それはそれで仕方ねぇよ。……とりあえず、一緒に行くってことで」と、言った時点で2人きりで行く気満々になってたんですかねえ、この男は。

初詣後に「また、明日ね」と挨拶してくる結衣も可愛かったかと。
電車で居眠りして八幡にもたれている雪乃を微笑んで覗きこんでる辺りの結衣はお母さんっぽかったですな。


ところで小町が干物妹呼ばわりされていましたが、むしろ八幡の方が干物兄(ヒモあに)な気がしますよ。
とりあえず干物小町はそのうち描こう。


あとがき、もとい、なかがきでのアニメ4話解説で、「新年を決意へと繋げた者が彼(八幡)を動かす原動力となるのである。」は、4話での結衣の立候補表明の事で、大事なことを言っていると思えるのだけど、そこは「信念」ですよね、先生(^^;

あと、アニメ5話の雪乃の「わかるものだとばかり、思っていたのね。」が「彼女が“誰の方も向かずに”口にしていたことと、言葉の響きから察するのであればその感情の向けられる方向はおのずと絞られるはずだ」と言うのは、
つまりあの「わかるものだと」は「雪乃本人に向けられていた」と言う事なんでしょうか?
まあ、「幾通りもの意味を内包していて」とあるし、答えが1つってわけでもないんでしょうけど。

特典1巻目「a」の感想はこちら

特典2巻目「n」の感想はこちら

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2015年7月24日 (金)

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。n」感想

俺ガイル続のBD特典小説の2冊目です。

特典小説1冊目の「a」で年末時点に遡っての話として始まりましたが、今回はそのまんま「a」の直後の場面から始まる同じ年末の日の話でした。
「a」ラストの折本との帰宅描写がそのまま続くとはちょっと予想外でしたよ。

ちなみに、「a」の感想はこちら

特典小説は本編とはパラレルな「another」な話になるのではと予想されるわけですが、「a」では折本と結衣雪乃との会話は、11巻のバレンタインイベントの描写と少し齟齬がありましたが、
今回はあまり原作本編との齟齬は無い感じでした。ただし、ラストの電話でこの後は展開が変わっていきそうですかね。(その辺りは後述)

以下ネタバレ注意。

今回は折本との帰宅、折本と小町+大志の遭遇、八幡と大志の会話、八幡と小町の会話という流れでしたが、
本編で出番が少ない折本と大志との会話シーンが多かったのは新鮮で楽しめました。特に続アニメで「いないもの」扱いされた大志は出番があって良かったですよ( ノД`)
もし続アニメしか見てない人がこれを読んだら、「誰これ?」とか言われそうですけど(泣)

折本の「どっちが好きなの」爆弾で動揺している八幡ですが、年末の時点で仮に三角関係を意識していたのだとすれば、正直ちょっと意外です。その辺りはマラソン辺りからかと思ってましたよ。

折本が前巻で結衣や雪乃と親しくなれなかったのは、「比企谷が原因なのかも」で正解でしょうね。選挙の時に出会った時の事も特に説明してないままでモヤモヤも解消出来て無さそうだし。
そして小町の折本への態度はなかなか意外でした。小町も誰かれ構わず嫁候補にするわけでもないのだなあ…。

折本本人はともかく周囲の人達が嫌いと言うのは言われてみればまあ納得ですが、会った相手3人に立て続けに避けられ気味だった折本は、ちょっと可愛そうな気にならないでもありません。
悪い子じゃないんですけどね。相模と比べてしまって相対評価が上がってるせいかも知れませんが。

ところで、折本が八幡の「玉縄のおかげでさんざんな目に遭ってる」の言葉に同意してるのは笑いました。折本に「いい人なんだけどねー」とか言われちゃってる玉縄は、とりあえず強く生きて欲しいです(笑)

八幡と大志の会話での、「入学前に想像してたことなんて一つも叶わねぇぞ」「……まぁ、別に違ってても、全然いいんだけどな」は、現状を悪く無いと思っていそうな八幡にちょっとニヤリとしました。
11巻での「楽しい時間」と思うとちょっと複雑になりますけどね。
ところで大志と八幡の関係は先輩後輩っぽくてホッコリしますな。

小町の「(八幡が)もし、モテて修羅場ったら小町、困る」は、正直「おいおい」と思いました。あっちもこっちも嫁候補扱いしておいてそれを言うか小町…。11巻ラストがほぼそんな状況だし(;´Д`)
正直小町は、結衣・雪乃と、あと川崎にかなり申し訳ないことをしてると思いますよー。先生や陽乃は、まあいいか。

67ページの八幡の「きっと俺が何か自分の願いや想いを言葉と形にすることはもうないのだろう」は、結衣にシーデートの提案をした直後の時点でそれを言うかと思いました。八幡の恋愛トラウマは未だ深いですな。
まあ逆フラグっぽいし、八幡の言う事なんてコロコロ変わりますけど。

最初にも書きましたが、ラストの結衣の電話は、ここから本編と展開が変わっていきそうな予感がしました。
正月ではなく年末のうちに雪乃の誕生日プレゼントを買いに行く展開になったりすると、陽乃との遭遇も無かったりして大きく話が変わりそうですよ。

しかし、これから先はどうなっていくのやら。
本編と特典で八幡が好きな相手が変わるとかだったら正直萎えるんですけどねえ。(ゲームならまだしも)

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2015年6月24日 (水)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 11巻/やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 a 感想

■やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 11巻
遂に11巻まで来ました。
あとがきで書かれているようにストーリーも奉仕部3人の関係もいよいよ佳境に入りましたが、やっぱり12巻で完結するんですかね。

あとがきで「次巻で完結」と書いていないのが気になりますが、間に番外編とかが入る可能性もあるから…とか?(^^;
どのみち、これから12月まではBD特典小説が続きますし、それが終わるまでは本編は出そうにないですけどね(^^;;

この11巻を読む直前にアニメ12話を先に見てしまっていましたが、そのアニメ12話で「本編319ページの内224ページまで」=「約7割」を消化していたのには驚きました。
アニメ最終回は残りの95ページ(約3割)の部分をじっくりやってエンドということでしょうか。

さて、11巻の話はまだ十分に咀嚼出来ていなかったりもしますが、とりあえず一読した時点での感想を書いていきます。


アニメ12話でやった部分については感想が被るので、ざっくりとだけ触れます。
なお、12話感想はこちら→ 続アニメ12話感想

・アニメに比べて、八幡が「違和感」を抱いていく仮定の描写が印象的でした。「楽しいなぁ」は読みながらも何とも不穏感を感じましたよ。
・P79で、「信頼に似たもとひどい何か」のことを八幡が引き摺っていたことが分かったのは「やっぱりな」と思えました。10.5巻では全然気にして無さそうでしたから、忘れてるんじゃないかとちょっと不安でしたよ(^^;
・序盤から中盤の「今が一番」とか「こうして三人でまったりしてるの~すっごい好きだし」とかは、最後の展開を思うと何とも言えない切ない気分になりますね。

・冒頭、結衣にシーデートの誘いをかけようとするところのモノローグが気になっていましたが、10巻で雪乃に進路を聞いた時のように、こちらもやはり八幡が自覚的に「踏み込もう」としていたのがよく分かりました。それは八幡の明確な成長なのでしょうけど、せっかくの長く引っ張った上でのデートの誘いなのに、既に単純にそれが叶わない状況になってしまっているのが切ないですよ。
・結衣の「ヒッキーちゃんと貰えるもん。……ね?」のところもモノローグがどうなっているか気になっていましたが、こっちはギャグで流していて、ちょっと残念だよ!

・いろはの「年下の女の子は、……嫌い、ですか?」に対しての「いくつかの理由で今の俺にはあまり効果が上がらない」の「いくつかの理由」が気になりますな。ラブコメ的に。
・「お世話焼かれるの結構好きなのかも」ないろはを羨ましがる結衣に対して、八幡の「そのままのほうが良いのではないでしょうかというかですね」がイイね!

・生徒会は副部長と書記ちゃん以外にも男女関係でややこしい状況があるようで、男女が集まったグループではどこにでもある話なんですねえ。ホント、どこにでも。(奉仕部を見ながら)
・葉山の言う「みんな自然に振る舞える」の「みんな」は、やっぱり奉仕部も含まれてるんですねえ。

・玉縄を評しての「そのろくろを高速回転させる黄金の左腕」に笑いました。原作ではそんなにろくろを回してる印象は無かったので、アニメの表現の逆輸入か?、とか思ったのですが、9巻を見返すと「まるでろくろでも回すかのようなややオーバーな手振り」って書いてましたね。
・玉縄は原作でもやっぱり折本に気がある様子で、まあがんばれ(笑)
・ざいもくざ、もとい材木座はやっぱりイベントに来てたんですね。アニメじゃいなかったけど(笑)

・けーちゃんは9巻の書かれてないところで結衣や雪乃とも面識があったんですね。ホッコリしました。
・いろはが三浦を評しての「あの人性格も悪くないですし!」がホッコリしました。ディスティニィーでもオカンっぷりを発揮してましたしね>あーしさん

・いろはの「結衣先輩らしい」は、やっぱり後々まで引っ張ってますね。終盤の結衣の「あたし、ヒッキーが思ってるほど優しくないんだけどな」が切ないです。
・冒頭や中盤で、最初の結衣のクッキーの依頼を思い出すシーンが重なっていたのが印象的でしたが、やはりこれも最後に繋がっていたわけですね。ラストを前に最初の依頼に立ち返るというのは原点回帰ですね。結衣の作ったチョコもチョコクッキーですし。

・ボスキャラっぽい陽乃ですが、平塚先生の前では印象の違う面も見せるようで、先生の「もし君に、……本当に積もる話があるなら、いつでも付き合ってやる」が印象的でした。雪乃を空っぽ扱いする陽乃ですが、陽乃本人も結局やっぱり問題を抱えてるんですかね。(まあ、あの人としての壊れっぷりは問題があっても当然ですが)
・平塚先生の「三月までもうあまり時間がないし、今のうちに片付けておきたいんだ」が、凄くフラグっぽいです。春からは別の学校に異動になって、奉仕部も互いの最後の依頼を果たして解散という線が本当にありそうですよ;

・バレンタインイベントの後で、「ご飯、食べてかない?」となったところは、アニメとは展開が違うのだろうかと思いました。そんなことは無かったですが。



以下、アニメ12話より後の部分について書きます。まあ上でも少し触れちゃってますけど。

イベント終了後の95ページは、凄く濃密で、穏やかなシーンでも緊張感のある展開でした。
結衣が凄く頑張っていましたよ。全体的に、結衣のいじらしさ、雪乃の儚さが凄くよく出ていました。当初は雪乃が結衣を引っ張っていたはずなのに、すっかり立場が逆転しちゃっています。

雪乃の問題は、一言で言えば「自分が無い」ってことなんでしょうか。確たる自分を持っていなくて、寄る辺がなければ自分の居場所も見つけられなくて、憧れの対象の真似ばかりしてきたと。
序盤の「強い雪乃」の姿は陽乃の姿の後追いの模倣だったわけですかね。それが最近ではその対象が陽乃から八幡に移っていた、と。
5巻で八幡が評した「寄る辺がなくともその足で立ち続ける」は、見たままの姿では無かったわけですね。

子供が誰かのモノマネをしながら育っていくとか、誰か尊敬する人物の影響を受けるなんていうのは、そんな責めるほどのことでもない、それだけなら普通の事という気もしますけど。
別に育ての親に憧れてヒーローを目指しても、それ自体は別にいいじゃないですか。(誰の話だ)
雪乃のそれは、度が過ぎちゃってるのでしょうか。ともあれ、最後は雪乃自身が母や姉に立ち向かえるようにならないといけないんでしょうね。多分。
結衣が言う、雪乃の問題の「答え」は、正直どういうことなのかよく分かりません。

今回の結衣は、いつも以上に献身的で雪乃や八幡を大事に思っていることが伝わってきて、切なくて泣けました。
単に八幡が好きなだけならイベントの後日に雪乃に菓子をもらった時に「あたしのだけ?」「ヒッキーのは?」と聞く必要もないだろうになあ。

大事なデートの約束を「3人で」使ってしまうところも泣かせました。
「3人で見れて、良かった」や観覧車での「……もうすぐ、終わりだね」が切なすぎますよ。
なかなか自分からは一歩を踏み出せない八幡や雪乃に対して、「これからどうしよっか?」と、踏み込むことが出来るのが強い子ですよ。

結衣は八幡も雪乃のことも大事で、「全部欲しい」と言いながらも、失恋することも覚悟があるように思えますが、ここまで頑張ってきた結衣にはどうにか報われて欲しいです。
シーデートの約束も、これで形を変えて消化済み、ということにはならないで欲しいものですよ。
八幡の恋愛トラウマ克服を書くなら、「約束だから」との縛り無しで、結衣に誘われ助かられているばかりではなくて、「自分から」誘えるようにならないといけないわけで、期待したいんですけどね。

ところで、結衣は「身を引く」行動をするのでは、とも思っていたのですが、別に雪乃に譲る気満々というわけでも無いみたいですかね。フェアでありたいとは思っているようだけど。
結衣から八幡に「友達になってほしい」とか言い出すんじゃないかと思ってましたよ。

由比ヶ浜マの登場はいいサプライズでした。「ヒッキーくん」呼びがいいですね。

ただ、個人的には夏コミで「俺ガイル本」を出そうかと考えていたりして、以前書いた八結相合傘SSの漫画化なぞを考えていたのですが、本編で八幡が結衣ママと出会ってしまったので、どうしようかと困っています(^^;
まだ2ページほどネームを作ったところまででしたけど、本を作ることを諦めるか、オチを変えるかとか考えないといかんなあ;

■やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 a
続アニメのBD特典小説です。
タイトルの「a」は色々な含みがあるようですが、2巻目が「n」らしいし、普通に考えると7文字で「another」ですかね。
「原作小説の本編とは若干異なる流れで進む」なんて書いてありますし、本編とは展開が違うパラレルな話になるってことなんでしょうか。

以下、ネタバレ注意。


「本編とは若干異なる流れ」と言いつつ、今回の「a」時点では原作とあまり大きな齟齬は無かった気がします。
今回の話の時期は、9巻のクリスマスイベントおよび6.5巻のクリパの後で、10巻冒頭の正月の前の「年末」のタイミングで、
年末の街に繰り出した八幡が結衣と雪乃と出会って映画デートして、さらに折本と遭遇するという話でしたが、
本編との齟齬は、11巻P129で折本と奉仕部女子2人が会った時に「この三人、ちゃんと話す機会もなく、ただなんとなくお互いの存在を知っているだけ」と書いていたのに対して、
「a」では折本相手に女子2人が自己紹介してる辺りが、若干矛盾と言えなくも無い?、という程度でしたが、
次巻以降で本編の流れとは変わっていくってことなんですかね?

最後の折本の「どっちが好きなの?」が大変にストレートなラブコメ爆弾でしたけど、
明確な言葉を使わずに少々分かり難い青春禅問答展開をやっている原作本編よりも、ラブコメらしいラブコメをやっていこうとしている…、のでしょうか?

それだと、なんだかファンのSSみたいな展開だなあとも思ってしまいますけども。
本編で「サイゼ」を笑った折本達に対して、サイゼでも全く気にしない結衣だとか、折本と遭遇しての結衣雪乃の自己紹介だとか、とてもファンSS的な内容だなあと思いました。
ぶっちゃけ自分もそういうSS書きましたし(笑) → 以前に書いたSS「比企谷八幡の正月の買物

ところで、P35で八幡が結衣に対して「こいつサイゼ知らんのと違うか」とかモノローグしてますけど、原作2巻ラストで職場見学後に結衣からサイゼに誘われたことを忘れてるんですかね。
もしやここも 「本編とは若干異なる流れ」 と言うことなのか?(苦笑)

P50での、雪乃が八幡を「ヒッキー」と呼ぶくだりは笑いました。凄いインパクトですよ。

折本が八幡をバイトに誘うあたりは、受けていたらここからWORKING!!展開が始まりそうだと思いました。3期が始まるのが楽しみですね。
それにしてもバイトをバックレてばかりとは、八幡はマジでヒドいですな。学校の仕事ではあれだけ働いてるのに他の場所ではそんなにクズなのか問いも作中で触れられていて、その理由は明確に語られませんでしたけど、
10.5巻での 「意地があんだよ、男の子にはな……」 ってことなんですかね。
だとすると、八幡は格好つけたい女子とか守るべき家族のためならちゃんと働くと。…そうだといいなあ。

P72での、結衣がバイトをするのに否定的な八幡の「知らないことが増えてしまうのが嫌」は、ラブコメ的には悪くないのかもですけど、ヘタしたら恋人の携帯をチェックする男になりそうでヤバイと思いました。


「a」冒頭での「日記」と「手記」が意味深でした。
「日記」の方は、続アニメ12話最後の次回予告で結衣が独白していた内容でしたけど、これってどういうことなんでしょう?
アニメ最終回が11巻本編ではなく「a」にリンクしてくる、…とも思い難いんですけど。

「本当は、嘘でもいいのに」な「日記」の方は内容的にもアニメでの予告的にも、結衣の日記だと思えますが、
もうひとつの「本当は、縋っているだけ」な「手記」が誰のものかと言えば、やっぱり依存体質が想定されてる雪乃でしょうか。


最後の「なかがき」の終わりが95ページ(約100ページ)で、アニメ1期の特典小説「6.●●巻」シリーズが約150ページだったのに比べれば約2/3のボリュームですが、
1期特典が2巻おきで計450ページ程度のものだったのに対して、今回2期では毎巻特典小説が付くということで、毎巻約100ページなら計700ページになるという。月刊わたりんが大変そうですよ(^^;
毎巻特典小説が付くのは嬉しいですけども、それって残り期間の間は本編12巻が出せないだろうとも思われるわけで、12巻はやっぱり来年かなと思えて、ちょっと遠い目になりそうです。

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