パリに咲くエトワール
(谷口悟朗監督)
予備知識ほぼ無しで鑑賞。良い作品でした。
以下ネタバレ注意。
正直歴史にはあまり詳しくないですが、1912年から1916年のパリが舞台と言うことでずっと不穏さを感じながら観ていましたが、主人公達2人は希望を感じられる話になっていてよかったですよ。
第一次世界大戦終戦まで後2年あるし、仲良くなった人達がその後生き残れるのだろうかと心配になるわけですが。
…フジコとルスランは再会出来るんですかね…。
ポジティブで積極的なフジコが、親に逆らえずに自分の意志を外に出すのが苦手な千鶴を引っ張っていくわけですが、
いつの頃からかフジコは絵を描かなく(描けなく)なって、障害を乗り越えながらも一歩ずつ夢に向けて進んでいる千鶴に対して、フジコ自身の夢は表向きは進捗が見られなくて、どうなってしまうのかとヤキモキしました。
最後は乗り越えられてよかったです。最初はフジコが千鶴を引っ張っていたけど、周りを助けたり助けられたりしつつ、最後は千鶴の公演を見てフジコが絵を描けるようになるのがよかったですよ。
それは千鶴のおかげだけでなく、ルスランやアパルトマン住人や他の関係者それぞれが影響し合って、自分の行いも含めて回り回ってそれぞれの助けになっているのがいいですよ。
最初は嫌な感じだった人達が、後々で違った印象の顔を見せてくれるのがよかったです。ルスランですら最初は感じ悪かったし(笑)
おいしかったのはチンピラ3人組ですね。まさか終盤であんな役回りになるとは。
千鶴母も厳しく苛烈な人だけど、無理矢理パリに残ることにした千鶴に薙刀を投げてくれたりとか、千鶴を連れ戻すことに失敗した後に公演をちゃんと観に来てくれたりしているのがいいですね。
最初から失敗した場合の事も想定してチケットを取っていたりしてたんですかねえ。チンピラ3人組も日本に誘ったりと臨機応変度が高い母ですよ。
最初キツそうだったマチルダも、言動はもっともだし、後々には千鶴と抱き合うほどになっていてよかったです。
フジコが働いていた店の日本人嫌いな人までちょっといいところを見せてくれるのがいいですな。
ルスランの母・オルガも格好いい人でした。千鶴に対して引くべき線をきっちり引いて接しているのがホント格好いい。
オルガさん、千鶴が入ったバレエ団のアンヌ先生とは因縁がある雰囲気でしたが昔の仲間だったんですかね。ここらへんの具体的な関係性をあえて描いていないところが捗ります。
若林おじは困った人でしたが、こちらも憎めない人でした。
たぬきオチは笑いましたけど、あの中身に気付いていたら大分話は変わっちゃっていたかもですね。結果的には皆で助け合った回り道で正解だったなと。「おまえ達の旅は無駄ではなかった」ですね。
ラストでフジコは帰国したはずだけど(1916年?)、エンディングの絵がフジコの絵だとすると、フジコは戦争に巻き込まれるパリやアミアンも目にしたのでしょうか。
(モデルは画家の藤田嗣治らしいけど)その後のフジコの人生が気になります。
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