岸辺露伴は動かない 懺悔室
(渡辺一貴監督)
ルーヴルに続いての岸辺露伴映画第二弾。
今回は全編ヴェネツィアロケという事で映像美が素晴らしく見応えがありました。かなり昔に行ったけどまた行きたいものです。
原作の懺悔室は「岸辺露伴は動かない」シリーズの第一作目で記念碑的にも印象深い話ですが、
48ページ程度の短編で、なおかつ露伴先生自身は殆ど活躍しない話なので、どう映画にするのだろうと思っていました。
以下ネタバレ注意。
他のJOJOシリーズでのイタリア舞台の話でも混ぜるのかと思っていたけど、そんなことは無かったですよ。
てっきり『なんで「ヴェネツィアに死す」ってタイトルじゃあねえーんだよォオオォオオオ─────ッ』とか叫ぶ人とか、水から水にワープする小型サメでも出るんじゃないかと思ってました(笑)
あくまでも「懺悔室」の話で膨らましていたのはさすがでした。なるほど確かに『娘が「幸せの絶頂」の時』は膨らませ甲斐があるところでしたよ。露伴先生の見せ場もあってよかったです。
まあ、オチのワンアイデアに対しては、少し長かった気がしなくもない気がしないでもないですが。懺悔室以降の部分はもう少しだけ短くてもよかったかも知れません。
メインキャラがほぼ日本人になったのはちょっと笑いました。まあ日本人だから海外で苦労したというのは納得感は出たかも知れません。
懺悔室のポップコーンバトル部分は演技も演出もハッタリが効いていて、漫画でもアニメでも何度も見た(読んだ)場面だけど面白くて満足度が高かったですよ。
ジョジョシリーズらしい「超短い時間に色んな出来事や行動が詰め込まれている感」が実写で見られてよかったかと。
ポップコーンを投げてから鳩が飛んできて、ポップコーンの袋をぶちまけるとか、いつの間にか火を付けてるとか、無理な展開を無理矢理見せてくれるあたりが好きです。
ところで鳩はいい演技してましたねえ。一部CGも使ってるようですけども。
娘の舌に生えた浮浪者の人面疽は大変に気持ち悪くてよかったです。いやあ、ホントにキモかった。
ところでヴェネツィアで舌を乗っ取られてるのって5部のトーキング・ヘッドも同じだったのだなあと今更気付きましたよ。
娘が幸せの絶頂の時に、娘ではなく父親が絶望することになるというのが、そこを主眼にするとなかなか捻りが効いていて面白いですね。だからこそあのオチに繋がるわけで。
幸せになることをずっと邪魔されて、あんな境遇だと娘はグレて「父親が呪いで死のうが知らねーよ」とならなかったのは奇跡だと思いました。
ところであの結末の後で、絶望した父親と娘がうっかり再会したら不味いことになりそうですが、絶望を与え続けるために霊達が邪魔してくれるんですかね。
結婚相手の人は最後にちゃんと露伴先生のサインをもらえていてよかったですね(笑)
泉くんは今回も泉くんでホッコリしました。
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